【番記者通信】エースが残留するメリット|マンチェスター・U

2014年02月25日 マーク・オグデン

ルーニーがプレミア史上最高給取りに

2019年までの長期契約を新たに結んだルーニー。エースの残留は、クラブにとってなによりの朗報だ。 (C) Getty Images

 ウェイン・ルーニーが契約を更新した。新契約は2019年までの長期で、報酬は現在の週給25万ポンド(約4000万円)から30万ポンド(約4800万円)へと跳ね上がった。これで28歳のイングランド代表FWは、プレミアリーグ史上最高給取りとなった。

 ただ、この契約更新でより大きな恩恵に与るのは、クラブのほうだろう。ここまで7位に低迷する今シーズンは、1995年以来逃していないチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権に手が届かない可能性が高い。そのうえにルーニーまで失っていたら、それこそクラブは危機的状況に直面していただろう。CL出場権もルーニーも失ったユナイテッドの魅力は半減し、今夏のリクルーティングに大いに差障っていたはずだ。

 開幕前はチェルシーから触手が伸び、ルーニー自身も移籍に傾いていた。プレシーズンのアジア遠征中、怪我を理由にタイのバンコクから緊急帰国した際には、青いユニホームに袖を通すルーニーの姿をいよいよ想像した。

 しかし、チェルシーから寄せられた二度の獲得オファーをユナイテッドは断固拒否し、慰留に強いこだわりを見せた。その熱意が、いわば本人に届いたというわけだ。

 今夏の獲得を狙う新戦力候補のトニ・クロース(バイエルン)やエリアキム・マンガラ(ポルト)が、クラブの顔であるルーニーのいないユナイテッドにやって来るとはとても思えない。フィールドでのプレーはもちろん、その外でもルーニー残留のメリットは計り知れない。

【記者】
Marc OGDEN|Daily Telegraph
マーク・オグデン
英高級紙で最大の発行部数を誇る『デイリー・テレグラフ』のユナイテッド番を務める花形で、アレックス・ファーガソン前監督の勇退をスクープした敏腕だ。他国のサッカー事情に通暁し、緻密かつ冷静な分析に基づいた記事で抜群の信頼を得ている。

【翻訳】
田嶋康輔
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