【CL】試合巧者の王者マドリー、敵地でバイエルンを逆転で下し3年連続決勝進出へ大前進!

2018年04月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

ミスで大きな代償を払ったホームチーム

バイエルン攻勢のなかで、相手のミスを突いて決勝点を挙げたアセンシオ。マドリーは巧みな試合運びで先勝を飾った。 (C) REUTERS/AFLO

 4月25日(現地時間)、チャンピオンズ・リーグ(CL)準決勝の第1レグが行なわれ、バイエルンが1-2でレアル・マドリーに敗れた。
 
 5年ぶりの3冠を狙うバイエルンが、欧州2連覇中のマドリーを迎えた一戦。過去の通算対戦成績は11勝2分け11敗で全くの五分という両チームの対峙は、開始20秒でレバンドフスキがペナルティーエリアに侵入し、ミュラーに惜しいクロスを入れて、ホームチームがチャンスを作り出す。
 
 しかし、そこからは互いに守備に重きを置いた展開となり、バイエルンはボールポゼッションで上回るものの、マドリーの前線から相手にプレッシャーに苦しみ、効果的な攻撃を仕掛けられない。そんななか、ロッベンが左足を負傷して8分でチアゴとの交代を余儀なくされるアクシデントにも見舞われた。
 
 マドリーはモドリッチ、イスコ、L・バスケスらの運動量の多さが目立ち、相手にボールを持たせながら、機を見てカウンターを仕掛けるなど、バイエルンよりもゴールに近づいていく。
 
 16分になってイスコのカットインから、ようやくこの試合のファーストシュートが生まれ、2分後にはバイエルンもラフィーニャがミドルで最初のシュートを放ったが、マドリーは22分にもカルバハルがルーズボールを直接叩いて最初の決定機を得た。
 
 良さの見せられないバイエルンだったが、27分に中盤でハメスがスルーパス。これで右サイドを抜け出したキミッヒがドリブルでエリア内に侵入し、クロスと思いきや、角度のないところから強烈なシュートをゴール左隅に叩き込んで先制点を奪った。
 
 耐え忍んでチャンスをモノにしたホームチームはここから勢いづき、リベリがフリーで得点機を得たり、セットプレーからレバンドフスキが空中戦を制してフンメルスやミュラーがチャンスを迎えたりと、マドリーを押し込んでいった。
 
 しかし、33分にボアテングも左足を負傷して、早々に2つ目の交代枠を使う羽目になったバイエルン(ジュレが出場)。リードして折り返すと思われた44分には、マドリーの幅広いパス回しを許し、カルバハルのクロスが流れたところをマルセロにダイレクトで叩かれて同点とされてしまった。
 
 アウェーゴールを与えてしまったバイエルンには、できるだけ点差をつけての勝利が求められ、後半も立ち上がりから攻勢に立ってチャンスも作ったが、そんななかでの56分、ミスから大きな代償を払わされることとなる。
 
 ラフィーニャが横パスをアセンシオにカットされ、これをL・バスケスにドリブルで運ばれ、彼からのリターンを受けたフリーのアセンシオの強烈なシュートを、GKウルライヒは止めることができなかった。
 
 状況を悪くしてしまったバイエルンは、左から再三相手ゴールに迫り、58分にはリベリが巧みなドリブルから相手DFをかわして決定的なシュートをニアに向けて放つが、GKナバスの好反応に阻まれる。リベリはその後も惜しいシュートを幾度も見せるが、ゴールネットを揺することはできない。
 
 マドリーはあまり無理をせず、バイエルンも徐々に疲れてきたことで、試合は残り20分を切ったところで膠着状態となるが、そんななかでもマドリーはチャンスを見逃さず、75分には交代出場のベンゼマが抜け出してフィニッシュまで持ち込む(ウルライヒが右足でストップ)。
 
 終盤、バイエルンはボールを保持し、幾度もゴール前にボールを運び、87分にはフンメルスのスルーパスでレバンドフスキが抜け出したが、これも決められず、1点ビハインドを覆せないまま、試合終了の笛を聞いた。
 
 ドイツでは敵なしのバイエルンが、大部分の時間帯で苦しみ続けながらホームで敗北。一方、欧州王者はさすがとも言える試合運びで勝点3を先取し、圧倒的有利な状況でマドリードに帰ることに成功した。
 
 主力2人が怪我に倒れるなど、3冠に向けて黄信号が点灯したバイエルン。名将ハインケスはこの1週間でどのようにチームを立て直してくるか。1997-98シーズン、当時現役選手だったジダン(ユベントス所属)の欧州制覇の夢を、決勝で阻んだのはハインケス率いるマドリーだったが、果たして今回は!?
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