大迫出番なしのケルン、シャルケ相手に意地を見せるも勝点1止まり…残留は極めて困難に

2018年04月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

ケルンの2つのゴールはいずれも見事だったが…

この試合の重要性は誰もが認識し、最後に意地を見せたものの、欲しい結果は手に入らなかった。雨中の激戦を終えた選手のなかには、目に涙を浮かべている選手もいた。 (C) Getty Images

 4月22日(現地時間)、ブンデスリーガ第31節が行なわれ、ケルンは2-2でシャルケと引き分けた。
 
 同勝点で並ぶ14位ヴォルフスブルク、15位マインツ、16位フライブルクがいずれも敗れたことで、今節での降格決定は免れたものの、もはや運命の瞬間が目前に迫っているケルン。奇跡の残留のためには絶対に負けられない2位シャルケとの一戦、ここまで8試合連続でスタメンに名を連ねてきた大迫勇也はベンチで試合開始を迎えた。

 シャルケはアウェーゲームながら、3分にFKからゴレツカがファーストシュートを放つなど、攻勢に試合を進め、5分には早くも先制点を挙げる。CBナウドの縦パス1本で左サイドを抜け出したコノプリャンカがペナルティーエリアに侵入し、GKホルンをひきつけて右へ流すと、走りこんできたエムボロがゴールへ押し込んだ。
 
 前節ドルトムント戦でも存在感を発揮したコノプリャンカは、この試合でも好調ぶりを見せ、再三好機に絡んでいく。23分には左サイドをドリブルで突き進み、寄せてきたCBメレを簡単にかわしてゴール右隅に流し込んで2点目をシャルケにもたらした。
 
 早々に2失点を喫して苦しくなったケルン。雨が強くなりピッチコンディションが悪化していくなかでもボールを繋いで相手ゴールに迫ろうとしていたが、堅守を誇るシャルケにはことごとくクロスははね返されてチャンスを生み出せずにいた。
 
 しかし2度目の失点から3分後、ビッテンコートがヘクターへボールを預け、エリア内でリターンを受けてダイレクトでシュート。GKフェーアマンと右ポストのわずかな隙間を射抜く見事なゴールを決めた。
 
 点差は縮まったが、その後はシャルケが決定機を量産。29分にコノプリャンカがカットインからのシュートで右ポストを叩き、その2分後にはゴレツカにスルーパスを通す(シュートは寄せたDFがブロック)。
 
 さらに35分にオツィプカのクロスを頭で合わせた(ホルンがセーブ)コノプリャンカは、前半アディショナルタイム、相手CKからのカウンターで独走してループシュートを放つも、ホルンにうまく対処され、再びリードを広げることはできなかった。
 
 後半も立ち上がりから敵陣に入ったのはアウェーチームで、コノプリャンカや交代出場のブルグシュタラーがシュートまで持ち込む。
 
 対するケルンは間もなくして反撃に転じ、左サイドのハンドベルカーらが好クロスをゴール前に入れて可能性を感じさせる。55分にはテロッデがエリア内でボールを受けて得点機を得るも、時間がかかったことでシュートコースを狭められ、フェーアマンにキャッチされた。
 
 シャルケはこれをしのぐと再び攻撃のギアを上げ、57分にコノプリャンカがカットインからシュート(DFがブロック)、59分にはブルグシュタラーの横パスをディ・サントがゴール正面で叩いて(ホルンが攻守)、たびたびケルン・ゴールを脅かしていく。
 
 カリジューリにサイドからドリブル突破を許し、自陣でのセットプレーではナウドの打点の高いヘッドに脅かされた他、ケーラー、オツィプカのゴール前に飛び出し等々……ケルンは実に多くのピンチを迎えた。
 
 それでも、勝つことだけが求められる彼らは、65分過ぎから敵陣に攻め入り、粘り強く惜しいクロスをゴール前に入れたり、FKなどのチャンスを得たりもした。終盤、あと1つ残っていた交代枠でFWコルドバを投入してゴールを目指す。
 
 そして83分、かなり距離のある位置で得たFK。セットプレーではキッカーを務めているリッセがゴール前にボールを入れると思いきや、右足を強振。ボールは左右にブレながらドロップしてゴール右隅に突き刺さり、ケルンはついに試合を振り出しに戻した。
 
 ただ、勝点1ではまだ足りないケルンは、守備での危険に直面しながらも攻撃に力を入れ、終盤で惜しい場面を作り出していく。しかし、好位置でボールを得たコルドバの足からシュートやラストパスは出ず、リッセのミドルもわずかに枠を捉えらなかった。
 
 試合はドロー決着。実力差や試合内容を考えれば、ケルンが追いついたことは評価できるが、14~16位との勝点差は8。降格圏を抜け出すには、残り3試合(対フライブルク、バイエルン、ヴォルフスブルク)で全勝した上で、ライバルたちの全敗を祈るしかない。あまりに厳しい……。
 
 すでに来シーズンに向け、ケルン出身で現在はブンデスリーガ2部のキール(現在3位)を率いるマルクス・アンファングの監督就任が決定しているケルンだが、チームは最終節まで残留争いを引っ張ることができるか。そして、今節は出番のなかった大迫は、ピッチ上で大きな仕事を果たせるか!?
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