“ガンバで”ダービー初勝利のクルピ監督、古巣撃破に複雑な心境を吐露「セレッソとの対戦はできれば…」

2018年04月22日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「プライドを懸けて戦い抜いた選手たちを心から称えたい」

G大阪の指揮官として初の「大阪ダービー」に臨んだクルピ監督は、古巣のC大阪から大きな1勝を奪った。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ9節]G大阪 1-0 C大阪/4月21日/吹田S

 ガンバの指揮官として、初めて「大阪ダービー」で勝利を掴んだクルピ監督は終始ご機嫌だった。

 チームはここまで低空飛行を続け、前節終了時点で最下位。7節の磐田戦でようやくリーグ初白星を挙げたのも束の間、翌節の長崎戦では守備が崩壊して完敗を喫するなど、軌道に乗れないままこの一戦を迎えた。

 仮にC大阪とのダービーを落とせば、選手たちの自信喪失にもつながりかねない。危機感にも晒されながら幕を開けた一戦では、序盤に絶対的守護神の東口とディフェンスリーダーの三浦が交錯し、東口が負傷退場するアクシデントにも見舞われた。

 それでも、この窮地に選手たちが発奮。東口に代わって急遽出番を得た21歳のGK林が好プレーでゴールマウスを守れば、ボランチでリーグデビューを飾った19歳の髙江も、ムードに呑まれず終始落ち着き払ったパフォーマンスで中盤を支えた。
 倉田や遠藤、オ・ジェソク、藤春、そして、決勝PKを決めたファン・ウィジョといった主力選手たちも負けじと、身を粉にしてしつこくボールを追い、マイボールになれば一気に相手ゴールへと畳みかけた。

 僅差のスコアながら、敵将のユン・ジョンファン監督が「精神的な面でわれわれを上回っていた」と舌を巻いたように、この試合に懸ける思いではガンバが上回っていたと見るべきだろう。

「セレッソのほうがガンバよりも安定した戦いをしているが、戦うスピリットをすべて出し尽くし、ガンバのユニフォームを着てプライドを懸けて戦い抜いた選手たちを心から称えたい」

 勝利への執念を見せた選手たちへ最大級の賛辞を送ったクルピ監督は一方で、古巣・C大阪とのダービーマッチに関する話題を振られると、やや複雑な想いも覗かせた。

「セレッソとの対戦はできればしたくなかったというのはあります。ただこれはプロとして当然あることだと思います」

「それでも、正直に言って、複雑な心境であるのは間違いありません。アミーゴと生きるか死ぬかの戦いをするわけですから、非常に複雑な思いというのはあります」

 かつて指導した愛弟子たちとの激闘を経て、指揮官の口からは思わず本音が漏れた。


取材・文●橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)

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