久保、中村らと同世代、神戸の17歳CB小林がJ1デビュー戦後に覗かせた意地「これ以上悪いパフォーマンスは…」

2018年04月16日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「交代は妥当だと思います。自分のパフォーマンスが悪かったので」

横浜戦でJ1デビューを果たした神戸の小林(40番)だが、前半のみで交代を告げらてた。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ8節]横浜1-2神戸/4月15日/日産ス

 横浜とのアウェー戦に臨む神戸のスターティングメンバ―に、17歳の現役高校生の名が記されていた。

 小林友希。この春、高校3年生になったばかりの2種登録選手で、神戸U-18では押しも押されもせぬディフェンスリーダーである。183センチ・73キロの恵まれた体格を利した対人守備、精度の高いフィードに定評があり、中村敬斗(G大阪)、久保建英(FC東京)、菅原由勢(名古屋)らとともに昨年のU-17ワールドカップにも出場した世代屈指の好タレントだ。

 ひと足早くプロデビューを飾った4月4日のルヴァンカップ(対湘南戦)では、本職のCBではなくアンカーでプレー。その試合で小林は、吉田孝行監督から「抜群の展開力を見せてくれた」との評価を受け、この日のJ1デビューへと漕ぎ着けた。

 横浜戦では三田啓貴と2ボランチを形成し「ボールを受けたらシンプルに捌いてテンポを作れればいいかなと。守備では前から奪いに行く戦術だったのでボランチも連動して高い位置から奪ってカウンターにつなげたい」とのイメージを持っていたという。

 しかし、序盤から横浜に試合の主導権を握られるなか、中盤で相手の圧力をかわし切れずミスを連発。味方からパスを受けても、マッチアップしたダビド・バブンスキーや天野純にボールをさらわれ、ピンチを招くシーンが散見された。
 結局、小林は前半のみで途中交代。指揮官の判断に対しては、素直にこう受け止めた。

「交代は妥当だと思います。自分のパフォーマンスが悪かったので。攻撃ではミスが多かったし守備でもボールを奪えていなかった」

 すでにルヴァンカップを経験していたとはいえ、普段は神戸U-18の一員として戦っている選手である。プロの基準に戸惑うのも無理はない。

「(本職の)CBとボランチでは景色が違うので同じことが言えるのかは分かりませんが、プレッシャーが速かった。それはユースとプロでは違いがあると思う。球際にしてもユースよりも強いと感じましたね」

 ただ、小林はこうも言う。「これ以上悪いパフォーマンスはそうそう出ないと思うので、ここから課題を改善して良くしていきたいです」

 45分間のみで交代を余儀なくされた後とあって、その表情にはさすがに落胆が滲み出た。しかし、『これ以上悪いパフォーマンスはそうそう出ない』という言葉には、小林なりの意地が透けて見える。

 「こんなもんじゃない。もっとできる」――。17歳で同じく今季J1デビューした中村や菅原に負けじと、トップチームでのアピールも果敢に狙っていくつもりだ。


取材・文●橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
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