「ローマの起源」は不適切? イランのテレビ局がローマのエンブレムに「ぼかし」…

2018年04月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

文化・価値観の違い? 謝罪するイラン人ファンも…

これもCLがワールドワイドなものだからこそ起きたこと(?)。トッティの表情が暗いのは、もちろんエンブレムがぼかされたからではない。あしからず。写真はCLバルセロナ戦。 (C) Getty Images

 まるで「不適切だ」と言われているかのようにエンブレムが修正されたら、クラブやサポーターはどのように感じるだろうか。
 
 イタリア『forzaroma.info』によると、現地時間4月4日に行なわれたチャンピオンズ・リーグ(CL)準々決勝・第1レグ、バルセロナ対ローマの一戦を放送したイランのテレビ局が、ローマのロゴに"ぼかし"を入れていたという。
 ローマのエンブレムには、2人の子どもがオオカミの母乳を飲もうとしている姿が描かれている。ローマの建設者、ロムルスとレムスの双子の兄弟が、オオカミに育てられたとの神話に基づくものだ。
 
 だが、イランではオオカミの乳が"検閲"の対象となったのだろうか。乳のところに"ぼかし"が入れられていたのだ。
 
 forzaroma.infoは、この措置にサッカーファンがSNSで様々な反応を示していると報じた。「オオカミの胸でも興奮する人はいるかもしれない」と理解を示す者から、「彼らはいつもこうやって、細かいことに気を配るよな」と驚きを表わしたファンもいるという。
 
 また、デンマークで働くイラン生まれのジャーナリストは、「ロムルスとレムスは3000年にわたって母乳を奪われただけだったが、イランのテレビはオオカミの乳まで、彼らから奪い去った」と皮肉っている。
 
 当のローマはどう受け止めたのだろうか。クラブ公式ツイッターの英語版は、正式なロゴと、オオカミの身体や双子にモザイクをかけたバージョンの画像とともに、「これ(正式ロゴ)が好きじゃないなら、こちら(モザイクバージョン)で好きになってくれればいいよ」とコメントしている。
 
 文化や価値観の違い、宗教的な問題などもあり、これについての考えは分かれるところだが、ローマのツイートに対し、「イラン人として恥ずかしい」「クラブの歴史を侮辱するようなことで申し訳ない」など、イランのファンによる謝罪の綴りも見受けられた。
 
 ローマは、「イランからの応援に感謝。イランにこれほど多くの情熱的なファンがいることを、我々は誇りに思います」と、寛大さ(?)を示している。

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