イタリア審判協会に銃弾入りの封筒が…判定に不満募らせるラツィオ・サポーターの関与は!?

2018年04月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

協会会長はメディアの責任も指摘

公平を期すために導入されたはずのビデオ判定も、新たな疑惑を生み出してしまったり……。銃弾事件の捜査と同時に、サッカー界の問題解決も進めていかなければならない。 (C) Getty Images

 結果を何よりも重視するイタリア・サッカーでは、ひとつの判定が結果を左右しかねないとあり、審判にも常に厳しい視線が注がれている。この小さくない重圧が、ある意味で審判のレベル向上という好影響をもたらすのは確かだ。
 
 だが、あまりに判定について騒がれることで、このような事態が起きては、カルチョのためにならないだろう。
 
 イタリア審判協会のマルチェッロ・ニッキ会長が、現地時間4月5日の会見で、協会トップ宛てに銃弾入りの封筒が送られてきたと明かした。イタリア『Sky Sport』が伝えている。

 封筒は、ニッキ会長とナルチーゾ・ピサクレータ副会長、ニコラ・リッツォーリ審判選定責任者宛てに送られたとのこと。ニッキ会長はすでに、警察に届け出たと明かした。
 
 捜査の進展を待つ必要はあるが、判定を巡る審判に対する不満がこのような愚行に繋がったことは想像に難くない。
 
 例えば今シーズンは、ラツィオが判定への不満に強く抗議してきた。試験導入されているVAR(ビデオアシスタントレフェリー)で不可解な判定が相次いでいるとし、多くの勝点を失ったと主張。ラツィオのサポーターは先日、イタリア・サッカー連盟のオフィス前で抗議活動も行なっている。
 
 ラツィオのサポーターが犯人と判明したわけではないが、こういった抗議活動が過激化した末の脅迫事件との見方も成り立ち得るだろう。
 
 ラツィオのイグリ・ターレSDはSky Sportに対し、「(ニッキ会長の)発言を記事で読んだが、彼やリッツォーリ氏と、穏やかに話し合いたいと思っている」と述べた。
 
「イタリア・サッカー界のために、前進することが必要だ。ラツィオは犠牲者ではなく、それは審判団も同じことだ。私が彼らについて、悪意があると騒いだことはない。人間のミスと善意を欠くことの境目がどこにあるか、分からない場合もある。こういった言葉を彼らが侮辱と受け止めたのなら、申し訳ないが……」
 
 一方でニッキ会長は、メディアの責任も指摘している。
 
「あるプロのジャーナリストが、番組で『審判たちは(批判する)人々と戦争をすると宣言した。戦争は笛を吹いてするものではなく、銃を撃ってするものだ。審判たちを撃って、ジャッジをさせないことが必要だ』と発言した。その結果が、これだ」
 
 ロシア・ワールドカップへの切符を逃し、改革が求められているイタリア・サッカー界。問題は多岐にわたるが、こういったニュースが後を絶たないことも大きな問題であり、解決すべき喫緊の課題のひとつと言えるだろう。
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