これぞシュートのお手本! 伝説の闘将の色褪せぬベストゴール3傑をリーガ公式サイトが選定!

2018年03月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

基本に忠実だった、歴史に名を残す鉄人

ブンデスリーガで6回、セリエAで1回のリーグ優勝を果たしたマテウス。個人では91年にFIFA最優秀選手の初代受賞者という栄誉に浴した。ドイツでは公式戦606試合に出場して151得点を記録している。 (C) Getty Images

 今夏、ロシアでワールドカップ連覇を狙うドイツ代表。ヨアヒム・レーブ監督の下で着実にチームを熟成させている世界王者は、今回も優勝候補の筆頭と言っていい。
 
 ただ、唯一の不安といえば、絶対的守護神マヌエル・ノイアーの怪我(左足の中足骨骨折)からの復帰が遅れている点だ。GKには他にもマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンら、多くのワールドクラスを擁しているとはいえ、キャプテンでもあるノイアーがいるといないとでは、多少なりとも違いがあるだろう。
 ドイツのキャプテンといえば、前任者のフィリップ・ラームをはじめ、オリバー・カーン、ユルゲン・クリンスマン、カール=ハインツ・ルムメニゲ、ベルティ・フォクツ、フランツ・ベッケンバウアー、ウーベ・ゼーラー、ハンス・シェーファーら、伝統として強いリーダーシップとカリスマ性を有する人材が選ばれてきた。
 
 ローター・マテウスもそのひとり。1982年スペイン大会から98年フランス大会まで5度(歴代最多タイ)のワールドカップに出場し、25試合に出場(歴代最多)した鉄人は、90年イタリア大会ではキャプテンとして、西ドイツ(当時)を3度目の栄光に導いた。
 
 バイタリティーに溢れ、自分にも他人にも厳しく、対立をも怖れなかったマテウスは、クラブレベルではボルシアMG、バイエルン、インテル(イタリア)、ニューヨーク・ニュージャージー・メトロスターズ(現レッドブルズ)でプレーし、多くのタイトルを勝ち取った。
 
 2001年に現役を引退し、以後は東欧の複数のクラブやハンガリー、ブルガリア代表の監督を歴任。現在はコメンテーターとして、現役時代同様、歯に衣着せぬ物言いで人々を楽しませているマテウスは、3月21日に57度目の誕生日を迎えた。
 
 ブンデスリーガ公式サイトは、偉大なレジェンドの誕生日を祝うとともに、マテウスのドイツ時代のベストゴールを選定している。
 
 第3位は1984年4月21日のマンハイム対ボルシアMG戦で、2対2で迎えた72分に決めた胸トラップからのシュート。彼はこの試合、終了間際の89分にもゴールを決めて、敵地での逆転勝利の立役者となった。
 
 第2位はバイエルン時代の93年10月23日、フランクフルトとのアウェーマッチ。44分にマルセル・ヴィテチェクの戻しのパスを、ペナルティーエリアの外から利き足ではない左足で強烈に叩き、ゴールに左隅に突き刺した。試合はこれで2-1となり、最終的に2-2で終了した。
 
 そして第1位。インテルからバイエルンに復帰した初年度の92年11月21日、これも敵地でのレバークーゼンで、1-1で迎えた69分、CKでメーメト・ショルがエリア外に浮き球を入れると、マテウスは右足のダイレクトボレーで正確に合わせ、ボールはクロスバーを叩きながらゴールラインを越えた(試合は4-2で勝利)。
 
 キャリアのなかで、右SB、守備的MF、攻撃的MF、リベロと、多くのポジションをこなした器用なマテウス。フィジカルプレーも得意にする一方で、技術的にも高度なものを持ち、ファンタジスタ顔負けの華麗なゴールも多い彼だが、そのプレーは実に基本に忠実である。
 
 今回、紹介されたゴールも、トラップからシュートのスムーズさ、しっかり足首を固定してのインステップ(右足はもっと正確かつ強烈!)、正確なボレーキックと、どれもお手本にできるプレーばかりだと言えよう。

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