「君は僕らみんなにとっての光だった」 アストーリの葬儀でフィオレンティーナMFバデリが弔辞

2018年03月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

すべての少年が夢に描くような、最高のチームメイトだった。

アストーリとの最期の別れ。フィレンツェのサンタ・クローチェ教会には多くのサッカー関係者とファンが訪れた。(C)REUTERS/AFLO


 現地時間3月8日、4日に急死したフィオレンティーナ主将ダビデ・アストーリの葬儀が執り行なわれた。

 フィレンツェの街とイタリア、そしてサッカー界全体にとって悲しく、ショッキングだったアストーリの死。チームメイトたちはもちろん、セリエAの各クラブやイタリア代表関係者、さらにはマルコ・ファン・バステンら多くのサッカー人が、アストーリに最期の別れを告げた。

 チームを代表して弔辞を述べたのは、フィオレンティーナMFのミラン・バデリ。声を震わせながら、バデリは次のようにアストーリを追悼した(イタリア『Sky Sports』より)。
 
「チャオ、ダビデ。君のチームメイトとフィオレンティーナ・ファミリーを代表して、僕が話す。長い話が好きじゃない君のために、短く終わらせると約束するよ」

「君の名前から始めたい。ヘブライ語でダビデは『最愛の』『愛しい』といった意味を持つ。たくさんの王が君と同じ名前だった。ここにいるすべての人たちは、君に愛情を示そうとしている。それが君の名前だ」

「ダビデ、君はシンプルで、ダイレクトで、実践的だ。その深い眼差しで人の心をとらえ、離さなかった。ダビデ、君は他のみんなと違う。たとえ言葉をよく知らなくても、僕らみんなに声をかけ、道を示すことができた人だ。つねにみんなをまとめ、心で話をしていた。若手を叱責し、僕らベテランを鼓舞していた。君には心で話をするという普遍的な言葉の才能がある。選ばれしわずかな人にしかない才能だ」

「君のお父さんとお母さんには、君を育てることに関してなにひとつ間違いはなかったと知っておいてほしい。君がこういう人なのは、ご両親がそう育てたからだ。君はまさに、だれもが兄弟や息子に欲しがる人だった。この素晴らしいスポーツの道のりを始めたときに、すべての少年が夢に描くような、最高のチームメイトだった。君がそばにいると安心し、『大丈夫、ダビデがいるから』と思えた。あの笑い声や僕らみんなとの冗談をどうやって忘れられる? 君はよく『俺は世界的名声のあるデザイナーで、自由時間に(遊びで)サッカー選手をしている』と称するのが好きだったね。でも実際、君はまさしくサッカー選手だった。純粋なサッカー選手だった」

「今日、僕たちは君のお母さんやお父さん、ブルーノ、マルコ(以上兄弟)、フランチェスカ(パートナー)、そして……ヴィットーリア(娘)のことを想う。君のようにブドウが好きなお姫様だ。ダビデがどんな人だったかを彼女に伝えていくことが、彼女のそばにいる全員の役目となる。君の娘は、成長しながら、パパがどんな人だったか知るべきだからだ。男の中の男だった」

「そして、僕らチームメイトが知っており、残念ながら君と知り合うことのなかった人が君という人を分かるようなエピソードで終わりにしたい。朝、フィジオセラピーの部屋で明かりをつけるのは、いつだって君だった。君は、僕らみんなにとっての光だ」
 
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