ガットゥーゾが明かした“悪童”ガスコインとのマル秘エピソード「俺の靴下に小便を…」

2018年03月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

「若造の俺に…」と“漢気”エピソードも。

かつてレンジャーズでプレーした経験を持つガットゥーゾ(左)が、その当時から今に至るまで慕っているのが、ガスコイン(右)だ。 (C) Getty Images

 サッカー界きっての切れ者にして、何ものも恐れないファイティングスピリットを持つジェンナーロ・ガットゥーゾ。名門ミランの指揮官は、今も現役当時と変わらぬ情熱的な振る舞いを見せているが、その鋼のメンタリティーを構築したのは、もしかするとサッカー界きっての"悪童"なのかもしれない。
 
 その可能性を口にしたのは、他ならぬガットゥーゾ本人だ。まだ、ミランの指揮官に就任する前の6月にYou Tubeのメディアチャンネル『2AngryMen』のインタビューに応じた"闘犬"は、現役時代のことを回想するなかで、ある悪童の仰天エピソードを明かしたのだ。
 
 その悪童とは、元イングランド代表戦士のポール・ガスコイン、その人である。
 
 1997年にペルージャからスコットランドの名門レンジャーズへ移籍した当時19歳のガットゥーゾは、同クラブのエースとして君臨していたガスコインに目を付けられ、ありとあらゆるイタズラを受けたという。インタビューでは、その中でも最も辛かったものを笑いをまじえて紹介している。
 
「チームに加わった初日から標的にされたよ(笑)。驚かされたのは、俺の靴下に小便をしていた時かな。俺がシャワーを浴びている間にやられたんだ。戻ってきた時には、酷い臭いが漂っていた。あれは最悪だった。彼は毎日、何かを思いついては仕掛けてきたね」
 
 ただ、ガットゥーゾは、ガスコインから嫌がらせだけを受けていたわけではないようだ。英誌『Four Four Two』の取材に応じた際に、その関係の深さが分かるエピソードも告白している。
 
「当時のレンジャーズは、まるで1950年代のようだったんだ。全ての選手がトレーニング場にはスーツで行かなくてはいけなくてね。でも、俺はまだティーンエイジャーだったから、ジャケットすら持ってなかった。それでポールがある日、俺をグラスゴーで一番高級な仕立て屋に連れて行ってくれて、『7、8枚選べよ』って言ったんだ」
 
 普通に考えれば、ここでガスコインが財布を取り出すところだが、"漢気"に溢れる粋な男の支払い方は違った。ガットゥーゾはさらに思い出話を続ける。
「俺は1万ポンド(約150万円)分のスーツ、シャツ、ネクタイを選んで、レジへ持って行った。するとポールが、『仕立て屋との協定で、ウチと契約している選手は月給から分割で引かれていくから大丈夫だ』って言ったんだ。でも、そんなのは全部嘘だったんだよ。協定なんて無くて、ポールが全て払ってくれていたんだ。これが俺の知ってるポール・ガスコインという男さ」
 
 ガットゥーゾがレンジャーズに在籍したのは、わずかに1年。むしろ、その才能を開花させたのは、1998年にミランに移籍してからだろう。
 
 しかし、それでも、イングランド・サッカー界の伝説でもあるガスコインの間近で過ごした日々は貴重だったようだ。

 40歳となった元イタリア代表MFは「グラスゴーは、プロとしてどうあるべきかを学ばされた場所だった。ガスコインはいつも模範的だというわけじゃなかったが、若造の俺に色々なアドバイスをくれて本当に助けになった」と、感謝の想いも口にした。
 
 現在、ガスコインは重度のアルコール依存症から回復するため、懸命なリハビリ治療に励んでいる。同誌のインタビューで、「今は上手くいかない時期かもしれないけど、俺たちは繋がっている」とエールを送ったガットゥーゾの想いが届き、完治に至ることを願うばかりだ。

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