「やっぱり一番難しいのは…」井手口陽介が激白! スペイン全国紙が聞き出した葛藤と苦悩

2018年03月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

良き理解者となっているのは、あの日本代表の“兄貴分”

限られた出場機会のなかで懸命にアピールを続ける井手口。『MARCA』紙の取材では環境適応への苦労も吐露した。(C) Getty Images

 今年1月にガンバ大阪からイングランド2部のリーズ・ユナイテッドに入団。すぐさまスペイン2部のクルトゥラル・レオネサにレンタル移籍した井手口陽介が、地元メディアに初めてその思いの丈を語った。全国紙『MARCA』のインタビュー取材に応じたのだ。

 井手口にとって初の欧州挑戦は、1月10日にレオネサでスタート。大きな期待が寄せられ、同21日のオサスナ戦ではさっそく80分から出場し、念願の欧州デビューを飾った。しかし、そこはプレーする環境はもとより、日本とは言語も文化もまるで違う。すべてが未知の世界であるスペインでの日常は、悪戦苦闘の連続のようだ。

 加入から約1か月半が経過し、チームは6試合を消化したが、井手口の先発は前半のみで退いた2月18日のラージョ・バジェカーノ戦だけだ。それ以外は途中出場が4試合で、2月24日のアルメニア戦は出番なしに終わっている。
 
 記事のタイトルは「レオネサのクラブ史上もっともエキゾチックな契約を交わしたイデグチ」。そのなかで井手口はまず、「ボールポゼッションの戦術とポジショニングの対応が一番難しい」とプレー面での苦労を明かし、さらに、昼食を午後2時ごろに、夕食を午後9~10時の間に取るというスペインの食文化に「一番驚いた」と語っている。


 
 それでも、「少しずつクラブに適応しているし、特に街には順応している。練習終わりには散歩もしている」のだという。心強く感じているのは、同じ関西出身の兄貴分で日本代表の僚友、エイバルの乾貴士だ。「電話でよく連絡を取り合うし、お互いを訪ねることもある」と言い、スペイン生活3年目の先輩の存在がひとつの拠り所となっている。

 周囲とのコミュニケーションも改善傾向にある。「チームのみんなが向こうから話しかけてくれるようになって、僕もチームの一員なんだと感じさせてくれるのが嬉しい。感謝しています」とコメント。乾のサポートもあり、孤独で辛かった時期は乗り越えたようである。

 現在、レオネサは降格プレーオフ圏内の19位に低迷している。現在はレギュラークラスの域を脱していない井手口だが、リーグ終盤の熾烈な残留争いのなかで、持ち前の鋼のメンタリティーが必要される時はやってくるだろう。シーズン終了後にリーズへ戻るが、スペインの地に確かな足跡を刻んでおきたいところだ。コンスタントな試合出場を重ねていければ、ロシア・ワールドカップを戦うハリルジャパンにとっても朗報となる。

 福岡が生んだダイナモの俊英は、もがき苦しみながらも着実に一歩ずつ、前進を続けている。
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