「美しすぎて言葉が出ない」イングランド代表の若獅子が決めた“大出世弾”に再脚光!

2018年02月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

3部のドンズから来た無名の19歳が…

プレミアデビューからわずか2年半で、世界的名手の仲間入りを果たそうとしているアリ。まだ21歳。スパーズが誇る、末恐ろしい大器だ。(C)Getty Images

 いまやトッテナム・ホットスパーのみならず、プレミアリーグとイングランド代表の"顔"のひとりに成長したデル・アリ。この若獅子を一躍世界に知らしめたのが、2年前のスーパーゴールだ。
 
 現地時間2月25日、プレミアリーグ28節でスパーズ(トッテナムの愛称)はクリスタル・パレスと敵地で対戦する。そのプレビューとしてリーグ公式ツイッターが公開したのが、2016年1月26日の同カードで19歳の超新星が決めた超絶ミドルだ。1-1で迎えた84分、右サイドのハリー・ケインが逆サイドに大きく展開し、クリスティアン・エリクセンが頭で中央へ。ペナルティーアーク付近でボールを受けたアリは軽く浮かせてマーカーを手玉に取ると、振り向きざまに右足で豪快なハーフボレーショットを蹴り込んだ。これでチームは逆転、さらに1点を加えて3-1の快勝を飾った。

 
 この2015-16シーズンの開幕前に3部のMKドンズからスパーズに入団したアリ。将来を嘱望される逸材と期待はされていたが、先行投資の意味合いが強かった。しかしマウリシオ・ポチェティーノ監督はプレシーズンでその能力の高さに惚れ込み、開幕からベンチに座らせる。継続的に試合出場を重ねてハイパフォーマンスを披露すると、6節以降はスタメンに定着した。抜擢登用した指揮官自身が「ここまで容易くフィットするとは嬉しい誤算だった」と舌を巻き、「彼は遅かれ早かれプレミアを代表する選手になる」と太鼓判を押したのである。

 
 プレミアデビューから2か月後にイングランド代表デビューも飾り、まさにシンデレラストーリーを実現させ、その存在を世界中に知らしめたのがパレス戦の一撃だった。国営放送『BBC』の解説を務めるガリー・リネカーが「ワールドクラスのゴールで、一流のストライカーでも決められない代物」と絶賛すれば、面白かったのが当時パレスを率いていたアラン・パーデュー(現WBA監督)のコメントで、「凄いものを見せてもらった。あんな美しいゴールは滅多にお目にかかれないし、言葉が出なかった。正直、鳥肌が立ったよ」と脱帽した。
 
 今回のツイッターの書き込みにも賛辞の声があとを絶たず、「アリの名を世界に広めたゴールだ」「フットボールセンスの塊。十代とは思えない冷静さがある」「何度観ても溜め息が出る」などなど。同シーズンはアリのほかソン・フンミン、トビー・アルデルワイレルド、キーラン・トリッピアーらが入団したトッテナムの歴史的転換点で、チームは3位に躍進し、チャンピオンズ・リーグの出場権を得た。
 
 アリはのちにこのゴールを、「なにも考えずに自然の流れのままにシュートまで持って行った。決まった瞬間は信じられなかったから、どう喜びを表現したらいいのか分からなかったよ」と振り返った。いまだ鮮烈なインパクトを与える名シーンだ。

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