「タカ、もっと私にアピールしろ!」宇佐美貴史へデュッセルドルフ指揮官が奮起を要求

2018年02月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

5か月ぶりゴールも厳しい声が相次ぐ。

高いポテンシャルを誇りながら、それを開花させきれていない宇佐美。そんな日本代表FWへ、ドイツ人指揮官は檄を飛ばしている。 (C) Getty Images

 2月17日(現地)に行なわれたブンデスリーガ2部23節のグロイター・フュルト戦で、デュッセルドルフの宇佐美貴史は約5か月ぶりの鮮烈弾を突き刺し、現地メディアからは「救世主」と賛辞を浴びた。
 
 味方からのマイナスのボールに走り込んでから右足でハーフボレーを放って相手ゴールを射抜く――。まさに宇佐美が持つポテンシャルの高さが凝縮された一発となったわけだが、そんな日本代表FWを地元紙『Rheinische Post』が特集を組んで紹介している。
 
 まず、宇佐美のキャリアについて「とても若いうちから日本で脚光を浴びた逸材で、おそらく日本サッカー歴代最高の才能を持ち、ドルトムントの香川真司以上のキャリアを歩む可能性もあった」と綴っている。
 
 だが、宇佐美のドイツでのキャリアは客観的に見れば、決して順風満帆というわけではない。2011年にはガンバ大阪からバイエルンへ移籍したが、ドイツではその才能を開花せず……。その後、ホッフェンハイム、G大阪を経て、2016年に加入したアウクスブルクでも成功を収められなかった。
 
 そんな宇佐美について、『Rheinische Post』は厳しく言及している。
 
「とてつもない才能を秘め、国際レベルのシュート技術と素晴らしいスピードやテクニックを有しているが、トップへ上り詰めるハートが欠けている」
 
 また、同紙は「これまでに所属したドイツクラブのどこかひとつで本領を発揮できていれば、デュッセルドルフが彼を手に入れることはできなかっただろう。現役生活も後半に差し掛かり、タカシは本物のスターになれるかどうかの岐路にいる」と記している。
 
 地元紙の宇佐美に対する反応には、デュッセルドルフのフリートヘルム・フンケル監督も同調する。64歳の老将は「フュルト戦でのゴールを決められるのは、タカの他にはいなかった」と、その類まれなるセンスを讃えつつも、厳しい言葉で奮起を促す。
 
「タカはこれまで3度もゴールを決めて、我々を救ってくれた。それ自体は良いことだが、彼はそれだけで満足してはいけない。トレーニングでもっと、アピールするべきだ。私は彼に、何度か話しかけているんだ。『タカ、君は信じられないほどの能力を持っている。でも、毎日それを私に見せ、スタメンで起用せざるを得ないようにするべきだ』とね」
 
 宇佐美が厳しい指摘を受けるのは、特異な才能があるがゆえだ。それだけに、より一層の努力を続け、周囲から絶対の信頼を獲得してもらいたいところだ。

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