「一番大事な年」だからこそ冷静に――槙野智章がイメージするロシアへの道のり

2018年02月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

飛躍の年になった2017年シーズン。では、2018年の目標は?

槙野は「浦和のためにプレーすることが代表につなが。その優先順位が逆にならないように意識したい」と語った。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 2017年は槙野智章にとって、飛躍のシーズンとなったことは間違いない。日本代表ではスタメンの座をほぼ手中に収め、クラブではアジア制覇を実現した。
 
「非常に厳しいシーズンでしたけど、自分の殻を破れた1年だったと思います」
 
 そう本人が振り返るように、代表においてもクラブにおいても重要な役割を担い、お調子者のイメージを払しょくした槙野に対する信頼度が大きく高まった1年だった。
 
 そして迎えた2018年を、槙野は「プロ生活の中で一番大事な年になると思う」と位置付ける。それは言うまでもなく、ワールドカップイヤーであるからだ。
 
 振り返れば槙野は、前々回、前回大会と候補メンバーに入りながらも、いずれも落選。代表におけるそれまでの実績を考えれば、致し方のない結果だったが、主力となり得た今回は、世界の舞台に立つ最大のチャンスであり、30歳という年齢を考えれば最後の機会となるかもしれない。
 
 だからこそ「一番大事な年」であるのだが、大人になった槙野はワールドカップへの熱い想いを胸に隠し、冷静に現状を見つめていた。
 
「ワールドカップは楽しみな舞台ですし、誰もが出たい大会。でも一番危険なのは先に代表を意識してしまうこと。それは選手にとっての落とし穴になってしまう」
 
 日本代表のレギュラーを掴みつつあるという自負はあるだろう。しかし、まだ何も成し遂げてはいない。ロシアのピッチに立つためには、なにが必要で、なにを優先させるのか。槙野はそこにたどり着くための道のりを、はっきりとイメージしているようだった。
 
「代表は頭の片隅に置いておかなければいけないチーム。まずは浦和レッズのためにプレーをして、結果を残すことが代表につながることだと思う。その優先順位が逆にならないように意識して、自分のプレーを高めていかないといけない」
 
 ACLでアジアの屈強なDFと渡り合った昨季とは異なり、今季、自己を高められる舞台はJリーグとルヴァンカップに限られる。
 
「誰にでもチャンスはあると思うし、約束されたポジションはいまだにない。みんなが競争することが代表にとってもいいことだと思うし、個人的にも残り限られた時間の中でどれだけできるか。Jリーグとルヴァンカップ、そこで一戦一戦しっかり戦うことを示さないといけないと思います」
 
 ワールドカップまで残り3か月余り、果たして槙野は念願のワールドカップ出場を果たせるのか。その夢の実現は、赤いユニホームを着て戦う、Jリーグでのパフォーマンスにかかっている。
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