「謝罪するまで許さない!」“神の手”を決められた守護神シルトンがマラドーナの誘いを断る

2018年02月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

あれから32年が経過したいまも…

32年前、サッカー史に刻まれた大事件。この“神の手”の4分後に“5人抜き”が生まれた。(C)Getty Images

 元イングランド代表の正守護神で、現在68歳のピーター・シルトン氏が投稿したツイッターが大きな反響を呼んでいる。2月1日の投稿で、昨年6月にあのディエゴ・マラドーナ氏からディナーの誘いを受け、断っていたことを告白。そのうえで、「はたしてみんなはどう思う? 私が行くべきだったか否か。とても興味があるよ」と綴ったのだ。
 
 シルトンvsマラドーナ。言わずもがな、1986年メキシコ・ワールドカップ準々決勝、イングランド対アルゼンチン戦で生まれた2大ゴール、「神の手」「5人抜き」の当事者たちだ。あれから32年が経過したいまでも、明らかなハンドだった「神の手」をシルトンは許していない。
 
 当然、ツイッターに投じられたメッセージはシルトンの態度を肯定するものばかり。「あなたの判断は正しい」「あんな嘘つきに会う必要なんてない!」「我々は永遠に受け入れない!」などなど。一方でアルゼンチン人らしきファンからは「いつまで根に持ってるんだ!」や「ファンタジーゴール(5人抜き)について語ろうじゃないか」といった投稿も。さまざまな意見が寄せられた。
 
 そこで英紙『The Sun』が渦中のシルトン氏を直撃した。スリーライオンズ(イングランド代表の愛称)にその名を刻む名GKは、「神の手」に対する現在の心境をこう語ったのだ。
 
「私の中で"もういいじゃないか"という自分と、"絶対に許してはいけない"とするもうひとりの自分がいる。ただ、ディナーに誘う以前に、マラドーナはまず謝罪すべきだ。それが最低限だと思うし、謝罪がない限り、私は許さない。あの日、我々は両チームの主将だった。あれから一度も彼には会っていないし、会いたいとも思わなかったが、なかったことのようにして顔を合わせることはできないよ」
 
 そしてシルトン氏は、最後にぽつりとこう呟いた。
 
「マラドーナは私が戦った中でも最高のフットボーラーだった。でも、最高のスポーツマンではなかったんだ」
 
 はたしていつの日か、両雄が和解する瞬間は訪れるのか──。
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