「まるで12歳?」争奪戦の末にレスターへ加わった“超童顔”な逸材MFの実力は?

2018年02月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

英国メディアも驚いた童顔MF。

レスターのユニホームを掲げ、笑顔を浮かべるライトの顔つきは、あどけなさが多分に残っており、英国メディアが驚いたのも無理はないか。 (C) Getty Images

 ピエール=エメリク・オーバメヤン、オリビエ・ジルー、ミチ・バチュアイ、ルーカス・モウラ……1月31日の冬の移籍マーケット最終日の模様を伝える現地メディアの速報には、ビッグネームの名前が居並び、「今、クラブハウスに到着した」や「メディカルチェックを済ませた」など、その動向を伝える一報が分刻みで舞い込んでいた。
 
 そうしたなかで、英国国営放送『BBC』が「レスターが獲得に成功した」と伝えたのは、ブラックバーンに所属していた17歳のイングランド人MFカラム・ライトだった。
 
 日本での知名度など全くないと言っていい。『BBC』が獲得合意を伝えた直後に、ライトのレスター加入を報じた英国メディア『Sky Sports』ですら、「え? 12歳?」と、その顔つきにまず触れていたほどだ。
 
 しかしながら、侮るなかれ、この超が付くほどのベビーフェイスの青年が持つ実力は、確かなものがある。まだトップチームでのキャリアは積んでいないものの、17歳にしてブラックバーンのU-23チームに飛び級で参加。今シーズンは10試合に出場して4ゴール・1アシストをマークしていた。
 
 そんな逸材を追い続けていたのは、レスターだけでではない。ブラックバーンの地元紙『LANCASHIRE Telegraph』によれば、エバートン、トッテナム、ストークがスカウトしていたようだ。
 
 とりわけエバートンは、ライトがアカデミー時代に在籍していたこともあり、昨年12月末に復帰させるべく動いたが、家族にも接触していたというレスターが、見事に逸材を出し抜いた。
 
 ブラックバーンのアカデミー部門を統括しているスチュアート・ジョーンズは、「できれば我々の下で、トップチームに昇格させたかった」と、逸材の売却を悔いている。
 
「カラムを残すために、可能な限り全ての手段を講じたが、彼がプレミアリーグのクラブから興味を持たれた時には、すでに我々の手に負えるものではなくなっていた。彼はプレミアリーグのクラブに進みたがっていた。だからオファーがあった時には、もう家族とともに動いていたよ」
 
 そんなライトの魅力は、ブラックバーンで10番を背負っていたことからも分かる通り、高いクリエイティビティーにある。的確なパスでチャンスを演出しつつ、機を見ては、相手ゴール前に持ち上がって自らゴールを決めるのを持ち味としている。
 
 さらにセンターハーフを主戦場としながらも、両サイド、さらに右SBとしてもプレーした経験もあり、順応性も高い。
 
 レスターと3年半の契約を結んだ逸材は、当面の間はU-23チームでプレーする予定で、トップチーム合流を見据えつつ、新天地で研鑽を積むことになっている。しかし、トップチーム昇格のチャンスがないわけではない。
 
 というのも、レスターは今冬の移籍市場で最終日にアンディ・キングをレンタルで放出しており、U-23チームで抜きんでたプレーを見せれば、早々にトップチームに招集される可能性があるはずだ。
 
 複数のプレミアリーグ・クラブによる争奪戦が繰り広げられ、レスターに加わったカラム・ライト。この超童顔の逸材を覚えておいて損はないはずだ。
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