柏の有望株はティーラシンをどう見たのか? タイの英雄が示したブレイクの可能性

2018年01月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

これがタイの英雄の実力だ!!得意のドリブルと身体の強さでJに参戦!

個の力で違いを見せたティーラシン。広島でも活躍が出来るか注目だ。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[ACLプレーオフ]柏 3-0 ムアントン・ユナイテッド/柏
 
 2月1日から広島に加入するタイの英雄が、一足先に日本のサポーターの前で存在感を見せた。
 

 1月30日に行なわれたACLプレーオフ・柏対ムアントン・ユナイテッドの一戦。スコアは3-0で柏の快勝となったが、ムアントンが相手ゴールを脅かす場面もあった。そのアタックを支えていたのがティーラシン・デーンダーだ。

 5-3-2の2トップの一角に入り、得意のドリブルでチームの攻撃を牽引。序盤には巧みな足技で相手をかわす場面もあり、駆け付けた母国のメディア陣からは大きな歓声が上がった。
 
 この一戦がムアントンでのラストマッチとなったティーラシン。29歳のアタッカーはタイ代表として国際Aマッチでは91試合・42得点を記録しており、2007年11月には当時タイ人のタクシン・チナワット氏がオーナーを務めていたマンチェスター・シティに加わった経歴を持つ。労働ビザの関係からイングランドでプレーすることは叶わずに翌年母国へ戻ったが、2014年にアルメリア(スペイン)へ期限付き移籍。2度目の海外挑戦ではタイ人で初めてリーガ・エスパニョーラの舞台に立ち、国内カップ戦ではゴールも決めた。これらの活躍からも"タイの英雄"と称されるに相応しいプレーヤーだ。
 
 そんなタイの伝説的なアタッカーが、今季のJリーグでどのような活躍を見せるのか気になるところ。昨年5月のU-20ワールドカップで日本代表の主将を務め、2年後の東京五輪に向け有望株の中山雄太に対戦した印象を聞くと、「身体の使い方が思った以上に上手く、(自分たちの守備で)ハイボールの処理も多かったが、起点にされるシーンが何度かあった」という言葉が返ってきた。

「ティーラシンなどの存在もあって、カウンターでボールを運ばせないという意識がより強くなった」と中山が言うように、その突破力に対しては柏も強い警戒心を持って対処したが、局面での戦いにおけるティーラシンの身体の強さとしなやさかは、十分にJリーグのDF相手に通用することを証明したと言えるだろう。
 
 日本の将来を担うであろう新鋭DFに脅威を与えたティーラシンに対し、チームを率いるトチタワン・シーバーン監督も彼の新たな挑戦に大きな期待を寄せる。

「Jリーグのチームに入り、そこから日本の技術を学んで上達してほしい。それがタイの強化につながるので期待をしている」

 自身の活躍が母国の発展にもつながるだけに、今後もティーラシンのプレーから目が離せない。

【ACLプレーオフ 柏3-0ムアントン PHOTO】クリスティアーノと伊東が活躍し柏が3季ぶりの本大会出場決定!
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事