公式戦9試合勝ちがないインテル、ファンは「選手の責任」と批判も監督は「心配していない」

2018年01月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

イカルディら攻撃陣が不振を極め…。

攻撃陣の不振が、勝てない理由のひとつ。イカルディも直近の9試合で2ゴールと不振が続く。(C)Getty Images

 セリエAで首位に立ち、ユベントスの一強時代に終止符を打つ可能性が騒がれていたのが、遠い昔のようだ。現地時間1月28日、インテルはセリエA第22節でスパルと敵地で対戦し、1-1で引き分けた。これでリーグ戦は7試合白星から遠ざかっている。

 前節にダビデ・サントンのミスから先制点を献上したインテルは、本職が右サイドのジョアン・カンセロを左サイドで先発に起用。後半立ち上がりにそのカンセロのクロスから敵のオウンゴールで先制したが、追加点が奪えず、終了間際の90分にアルベルト・パロスキに同点弾を許した。

 PK戦の末にポルデノーネ(セリエC=3部)を下したコッパ・イタリア5回戦も、120分を戦って0-0だったことを踏まえれば、12月3日のキエーボ戦を最後に、インテルは公式戦で9試合勝利がないことになる。イタリア紙『La Gazzetta dello Sport』によると、ここまで勝利がないのは2012年3月以来、約6年ぶりだという。

 とくに不振を極めているのが攻撃陣だ。リーグの得点ランクで2位につけるマウロ・イカルディを擁しながらも、ここ9試合ではわずか4ゴールしか挙げられず、イカルディ自身も、この間に2ゴールしか奪えていないのだ。

 3試合連続で失点しているとはいえ、守備陣は3ゴールを許したウディネーゼ戦(12月16日)を除き、8試合で5失点とそこまで悪くはない。リーグ戦だけで見れば、3位の失点数に抑えている。だが総得点は37と、上位6チームの中ではローマに続くワースト2位だ。

 チャンピオンズ・リーグ(CL)の出場権を争う3位ラツィオと5位ローマも今節敗れたのは、インテルにとって朗報と言えるだろう。だが、そのラツィオとローマを下した6位サンプドリアと7位ミランが、勝点7差と同10差にそれぞれ迫ってきている。

 このまま歯止めをかけられなければ、今シーズンのノルマであるCL出場権の獲得も危うくなるかもしれない。スパル戦後、『La Gazzetta dello Sport』紙の取材にルチアーノ・スパレッティ監督は、「なにも変わらない。仕事を続けなければいけないだけだ」と述べ、さらにこう続けた。

「心配しているかって? 勝っていたときとなにも考えは変わらない。そのときもプレーを発展させられない時期はあった」

 パリ・サンジェルマンのハビエル・パストーレ獲得が噂されるインテルだが、スパレッティ監督は、「昨夏にスタートした現在のチームでも、目標の達成をめざせると思っている。だが、今日我々にはクオリティーではなく、ファイトする気持ちが足りなかった」と強調している。

 しかし、サポーターは現在のメンバーに不安を覚えている。『La Gazzetta dello Sport』紙のアンケートによると、約6000人のファンのうち、68%強が現在の不振は「選手」に責任があると回答。「監督」の19%弱や「クラブ」の12%強を大きく上回っている。

 長友佑都の去就も取りざたされるインテルは、冬の移籍マーケットが終了してから迎える次節のクロトーネ戦で、白星を取り戻すことができるだろうか。
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