【FC東京】長崎に完封勝利した新体制の初戦、長谷川健太監督の自己評価は?

2018年01月25日 馬場康平

「チャンスを多く作れたところは非常に良かった」一方で課題も口にした。

新加入の富樫(17番)が獲得したPKを沈めて先制。さらに丸山が1点を追加し、徳永(32番)擁する長崎を下した。(写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 今季から長谷川健太監督が指揮を執るFC東京は、沖縄・国頭キャンプ最終日となった22日、かいぎんフィールド国頭で長崎と45×3本で練習試合を行ない、2-0で完封勝利を収めた。この日のシステムは4-4-2。先発メンバーは、GKに林彰洋、最終ラインは右から室屋成、チャン・ヒョンス、森重真人、太田宏介が並んだ。2ボランチは高萩洋次郎と、橋本拳人が務め、2列目の右に永井謙佑、左に大森晃太郎が入り、前田遼一と、富樫敬真が2トップを組む布陣で臨んだ。
 
 試合は1本目の12分にいきなり動いた。「バイタルで受けて仕掛けようと思っていた」という富樫がエリア内へと侵入し、PKを獲得。自らゴール左に蹴り込み、先制に成功した。その後は、ボールを奪ってからの速攻や、サイドからの崩しというチームとしての狙いを選手たちが実践。3本目の17分には、セットプレーから丸山祐市が頭で決めて逃げ切った。
 
 流れの中からの得点はなかったものの、指揮官は「チャンスを多く作れたところは非常に良かった。みんな意欲的にやってくれたし、ほぼほぼ危ない場面は作られなかった。そういう意味では全員が集中して試合をやってくれたと思う」と、今年初の対外試合の出来に及第点を与えた。
 
 その一方で、課題も口にした。
 
「ただ、実際、昨年のリーグ37得点からどうやって上積みしていくかというところが大事なので、勝てたのは良かったが、追加点がなかなか取れなかったことは今後の課題だと思う。攻撃の形としてはいい形もあった。後はトレーニングをしながらクオリティを上げていければと思う」
 
 今キャンプ中は、狭いエリアの中で、ハイテンポかつ強度の高いトレーニングが続けられてきた。フルコートのゲームは、この最終日の練習試合が初めてということもあり、先制点を奪った富樫はこう語った。
 
「この日が初めてのフルコートのゲームだったので、距離感を含め、コミュニケーションを取りながらのプレーだった。ここから実戦が増える中で、各々が感じたことをフィードバックしていきたい。攻守で、求められていることをもっとやらなければいけない。まだまだ、ここからですね」
 
 大枠でのチームコンセプトの落とし込みは、この1次キャンプでほぼ完了したと言っていい。だが、まだまだ定位置争いは激しく、ポジションを確約された選手は見当たらないのが現状だ。ここから先のインドネシア遠征と、2次キャンプでは、実戦を積みながら組み合わせの見極めとともに、細部を詰めていくことになる。
 
「選手たちは意欲的で、このキャンプはポジティブに終えられた。次に向けて出た課題を修正していきたい」と、長谷川監督。昨季リーグ13位からのリスタートを切った首都クラブの新たな船出は、今のところおおむね順調だ。

取材・文●馬場康平(フリーライター)

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