コウチーニョ電撃退団でリバプールが異例の声明発表「ファンのために我々は…」

2018年01月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

ショックを抱えるファンのために出した声明。

老若男女問わずリバプール・サポーターたちから愛されていたコウチーニョ。そんな10番の退団に伴い、サポーターに向けてクラブが動いた! (C) Getty Images

 現地時間1月6日、リバプールのブラジル代表MFフィリッペ・コウチーニョはバルセロナへ移籍した。その電撃退団は、チームはもちろん、何よりサポーターたちのなかで波紋を呼んでいる。
 
 移籍金の額は破格で、多くの現地メディアが伝えたところによれば、1億2000万ユーロ(約156億円)+出来高4000万ユーロ(約52億円)で合意に至ったようだ。
 
 コウチーニョは、2013年1月にリバプールへ加入して以来、チームの攻撃を牽引してきたアタッカーだ。それだけに移籍決定後の公式会見で指揮官ユルゲン・クロップが、「フィリッペをここでプレーさせるためにできることは全てやった。でも、彼と彼の家族の将来はすでに100%バルサへと傾いていた」と肩を落としている。

 背番号10の退団は、レッズ(リバプールの愛称)のパフォーマンスだけでなく、リバプールを愛するサポーターたちに小さくない影響を与えている。
 
 昨夏から退団の噂があったとはいえ、シーズン途中での移籍に「裏切られた」という想いを持つ一部のサポーターは少なくなく、自身のSNSで所持するコウチーニョのユニホームを燃やす動画や画像を公開してもいた。
 
 そんな熱狂的なサポーターたちの気持ちを少しでも落ち着けようと、クラブはさっそく行動に出ている。
 
 リバプールは6日に公式サイトで、今シーズンのデザインのものに限るが、コウチーニョの名前と番号がプリントされたレプリカユニホームを購入したサポーターたちへ、50ポンド(約7700円)分のクーポン券を配布すると発表したのだ。
 
 オフィシャルクラブストアに加え、さらにオンラインストアでも購入時の履歴をメールで証明すれば、引き換えが可能だという。一選手の退団でここまでの策が講じられるのは異例で、クラブからすれば、「このクーポン券で新しい選手のユニホームを買いましょう」と、購買意欲を促し、騒ぎを起こさせないようにするための策でもあるのだろう。
 
 しかし、2011年1月にチェルシーへと移籍したフェルナンド・トーレス(現A・マドリー)、2014年7月には今回のコウチーニョと同じくバルサへ去ったルイス・スアレスと、ここ数年、チームの屋台骨を相次いで他のメガクラブに引き抜かれてきたリバプール・ファンからすれば、「またか……」というやりきれない想いは、しばらく消えることがないだろう。
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