岡崎慎司が魂のファイト! 9針も縫う怪我を負ってのプレーに「素晴らしき勝者」と地元紙

2017年12月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

指揮官ピュエルも「カミカゼのよう」と称賛

試合後、チームメイトたちから怪我の具合を気遣われる岡崎。 (C) REUTERS/AFLO

 まさに魂のファイトだった。
 
 現地時間12月9日にプレミアリーグ16節が行なわれ、敵地に乗り込んだレスター・シティはニューカッスル・ユナイテッドを3-2で下した。
 
 2試合連続ベンチスタートとなった日本代表FWの岡崎慎司にチャンスが巡ってきたのは、チームが同点とされた直後の73分だった。2点目を挙げていた俊英デマライ・グレイとの交代でピッチに送り出された。
 
 勝ち越しゴールを挙げるべく投入直後から攻守に奔走した岡崎だったが、78分にアクシデントに見舞われる。味方のクリアボールを何とか収めようと身体を張った岡崎の左瞼にニューカッスルのスペイン人MFミケル・メリーノのスパイクがヒットしたのだ。
 
 思わぬ接触プレーで流血したため、一時ピッチを離れた岡崎は、包帯で頭をぐるぐる巻きにした痛々しい姿で戻るのだが、痛そうな素振りは微塵も見せない。そして試合終了間際、今度も身を挺したポストプレーから決勝弾を呼び込むのだ。
 
 86分、自陣で岡崎が起点となったカウンターから抜け出したジェイミー・ヴァーディーがペナルティーエリア内左へ持ち込んでゴール前へクロスを供給。そこで受けた岡崎はワントラップからシュート体勢へ入ると、ニューカッスルのアジョセ・ペレスが慌てて出した足がボールに当たり、オウンゴールとなった。
 
 あと少しだけシュートモーションが早ければ……そう思えてしまうほどの岡崎が絡んだプレーで勝ち越したレスターはプレミアリーグ3連勝。順位も8位に上げた。
 
 試合後、英紙『Daily Mail』は、この日がニューカッスルのクラブ創設125周年の記念試合でもあったことを受けて、「レスターがセント・ジェームズ(本拠地)のお祝いムードを台無しにした」との見出しを打ったうえで、寸評採点で岡崎に「7.5」を付けている。
 
 また、レスターを常に追い続けている地元紙『Leicester Mercury』は、岡崎の怪我の状態について、「彼は試合後に9針も縫った」と伝え、その魂のプレーを褒めちぎっている。
 
「レスターのハードマン……シンジ・オカザキ。彼は偉大な貢献をするだけでなく、テリー・ブッチャーのように目の上を9針も縫う大怪我を患いながらもプレーを続けた素晴らしき勝者だ」
 
 イングランド代表のレジェンドで、額から大量の血を流しながらプレーしたことで知られるブッチャーを引き合いに出し、称賛された岡崎。そんな日本代表FWを指揮官のクロード・ピュエルは、「カミカゼのようだった」と犠牲を厭わないプレーを称えた。
 
「シンジ、そうだな。今日の彼は言うなればカミカゼのようだった。そして、それはチームにとって素晴らしいプレーと言える。彼はチームのために身体を張れる素晴らしいプレーヤーであり、チームの全員がそうでなければいけないね」
 
 いわば"必死のパッチ"で、レスターに勝利を呼び込んだ岡崎。中4日で迎える次節は吉田麻也を擁するサウサンプトンとの一戦だけに、両雄が先発を飾っての日本人対決に期待したいところだ。
 
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