【FC東京】現役引退の石川直宏が、J1ラストマッチで感じた“不思議な感覚”

2017年12月03日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「ゴールしたいし、勝ちたかった。そういう欲がまだあるんだと気づいた」

J1でのラストマッチに先発した石川は、57分までプレー。怪我の影響を感じさせず、軽快な動きを見せた。写真:末永裕樹

[J1リーグ34節]FC東京0-0G大阪/12月2日/味スタ

 FC東京のホーム最終戦。その先発メンバーに、今季限りで現役生活を終える石川直宏の名が記された。


 15年の夏に左膝に重傷を負ってから長らくJ1のピッチに立っていなかった36歳のベテランアタッカーは、今年8月2日に現役引退を発表。その後必死にコンディション調整に励み、最終節での復帰へと漕ぎつけた。

 文字通り"ラストマッチ"となったこの試合では、2シャドーの一角でプレー。全盛期を彷彿とさせるような鋭い動きでDFを攪乱するなど、怪我によるブランクを感じさせない軽快なプレーでピッチを駆け回った。

「今日は最高の状態でピッチに立てたと思います。これまでは痛みがないか、朝起きた時から膝のチェックをしたり、腰やふくらはぎも……ここ何年もそういう感覚の中で朝を迎えていた。でも今日は自分もそうだし皆の想いが良くしてくれたというか。不思議な感覚でしたね。こんな痛みなく、身体が軽い中でプレーしたのって何年ぶりかな?」

 57分に途中交代するまで、必死にボールを追いかけた石川は試合後、「すべてを出し尽くしました」と清々しい表情で語りつつ、シュート0本に終わった事実を振り返り「ゴールしたいし、勝ちたかった。そういう欲がまだあるんだと気づいた」ともコメント。

 とはいえ、現役生活に別れを告げた決断に悔いはない。「もう限界です。これ以上のものは出せない」と、きっぱり語った。

取材・文●橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)

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