交渉は東京で行なわれた!? サウジアラビアが前チリ代表監督を招聘

2017年11月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

前任者バウサの解任から5日で…。

バウサの後任として、サウジアラビア代表監督となったピッツィ。 (C) Getty Images

 11月28日、サウジアラビア・サッカー連盟は、空席となっていた監督の座に、アルゼンチン人指揮官のファン・アントニオ・ピッツィを招聘したことを発表した。
 
 サウジアラビアが招聘したピッツィは、現役引退後、2005年に母国のコロンで監督キャリアをスタート。その後は、サン・ロレンソやバレンシアなどを指揮し、2016年1月からはホルヘ・サンパオリ(現アルゼンチン代表)の後任としてチリ代表監督に就任すると、同年6月のコパ・アメリカ・センテナリオを制して南米王者に輝いていた。
 
 しかしその後、チリ代表は低迷。ロシア・ワールドカップ南米予選でまさかの敗退に終わったため、ピッツィはその責任を問われて解任されていた。
 
 そんなアルゼンチン人指揮官に白羽の矢を立てたのが、監督交代劇を繰り返していたサウジアラビアである。
 
 2015年9月から約2年間に渡ってチームを率い、同国を3大会ぶりのワールドカップ出場に導たオランダ人のベルト・ファン・マルバイク監督が今年9月に退任したサウジアラビアは、同月中にエドガルド・バウサ監督を招聘するも、今度はわずか2か月で解任していた。
 
 一連の監督交代について、米ネットワーク『ESPN』のアジア版は、「またしてもサウジ連盟による奇々怪々な人事がなされた。ここまで立て続けの失態となると、後任探しは難航するだろう」と断じていたが、同連盟は、バウサ解任から1週間足らずで新監督を招聘した。
 
 米スポーツ・メディア『Fox Sports』のアジア版によれば、ピッツィとサウジアラビア・サッカー連盟の交渉の舞台は、東京だったということで、次のように伝えている。
 
「サウジの国営放送の報道官によれば、ピッツィとサウジアラビア・サッカー連盟は、東京にて秘密裏に交渉を行なったようだ。同監督は12月1日、モスクワで開催されるロシア・ワールドカップの組み合わせ抽選会に出席する予定だ」
 
 急転直下でサウジアラビア代表監督の座に就いたピッツィ。『ESPN』は契約内容について、「明らかにされていないが、おそらく2019年のアジアカップ終了まで」と伝えている。しかし、連盟の上層部との衝突がキッカケで職を負われた前任者たちの動向を考えれば、途中解任の可能性も少なくない。
 
 はたして、名うてのアルゼンチン人指揮官は、最後まで辣腕を振るい続けることができるだろうか? その動向に注目したい。
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