暗殺事件を発端に4度延期されたゲームがついに…北朝鮮対マレーシア戦の結末は?

2017年11月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

中立地タイで3日後にもリターンマッチが

アジアカップ本大会出場の可能性を残す北朝鮮代表(左)。年末には東アジアカップ参戦のため来日する予定だ(写真は今年6月の香港戦)。(C)REUTERS/AFLO

 これまで8か月間、4度に渡って中止・延期されていたひとつの試合が、ついに開催された。
 
 今年2月、マレーシアで起こった痛ましい事件が発端だ。北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄である金正男氏が、クアラルンプールで暗殺された。北朝鮮とマレーシアの間で外交的緊張が高まり、3月に予定されていたアジアカップ2019予選、北朝鮮対マレーシアのゲームが延期されたのだ。
 
 その後も両国間の関係は改善されず、マレーシア政府は北朝鮮への代表チーム派遣を断固拒否。AFC(アジア・サッカー連盟)は何度か代替日を設定したが実現には至らず、ついにひとつの裁定を下した。第3国・タイでの無観客による開催だ。11月10日にまず北朝鮮のホームゲームとして行ない、もともと11月13日に予定されていたマレーシアのホームゲームもタイ開催としたのである。
 
 迎えた金曜日の夜、両者は首都マナーマで激突。選手たちはさしてヒートアップすることもなく、北朝鮮が力の見せつけて4-1の快勝を収めた。
 
 アジアカップ予選は現在最終局面を迎え、24チームが6グループに分かれてリーグ戦を消化している。日本や韓国、サウジアラビアなどすでに本大会出場しているのが12チーム。今予選の各グループ2位以内の計12チームが、残り半分の出場権を得る。
 
 北朝鮮とマレーシアはグループBでレバノン、香港と同居。これで4節を終え、首位がレバノン(勝点10)、2位が北朝鮮(勝点5)、3位が香港(勝点5)、そして最下位がマレーシア(勝点1)だ。レバノンのトップ通過はほぼ確実で、マレーシアは厳しい情勢。事実上、北朝鮮と香港の2位争いがハイライトで、両チームは最終節(来年3月27日)に雌雄を決する。
 
 その前に北朝鮮は、年末に日本で開催される東アジア選手権に出場する予定だ。
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