【2014 J1結果・採点|10節】FC東京対名古屋

2014年05月02日 週刊サッカーダイジェスト編集部

名古屋の闘争心に屈したFC東京。リーグでの連勝は3でストップ。

 FC東京が失点したのは、48分。4-4-2から4-3-3にシステム変更した直後だった。米本曰く「後半の入り方がフワッとしていた」のは事実だが、セットプレーでの失点はある意味、事故のようなものだ。小川のCKから矢野に頭で押し込まれた場面以外は名古屋の攻撃を上手く跳ね返していたし、文字通り崩された形は1-2回しかなかった。CBの吉本は「勝負弱さを払拭するためには、こういうゲームでも勝点を拾っていかないといけない」と嘆いていたが、ミスが付き物のサッカーで完璧を求めるのは酷だ。
 
 褒めるべきは、名古屋の戦いぶりだろう。最後は3-4-3システムで攻め込んだ相手にも怯まず虎の子の1点を守り抜いた執念は見事のひと言。故障者の続出でベストメンバーをなかなか組めず、リーグ5連敗の状況下でも、「身体を張って守れた。最後の一歩が出ていたし、そういうところに皆の気迫を感じた」と楢崎が言うように、一人ひとりのプレーには魂がこもっていた。
 
 決してミスは少なくなく、西野監督も「課題を挙げれば切りがない」と話していたが、勝利への闘争心はFC東京を上回っていたと思う。戦術云々ではなく、そうした気持ちの差が勝敗を分けたような気がした。

取材・文:白鳥和洋

※週刊サッカーダイジェスト5.20号(5月7日発売)より
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