【2014 J1結果・採点|10節】浦和対横浜

2014年05月02日 週刊サッカーダイジェスト編集部

“苦しい時こそ結果で示す”。浦和がしぶとく勝って進化を示す

 浦和が実に8年ぶりに、ホームで横浜に勝った。前半はまさに埼スタで繰り広げられてきた両者の対戦を振り返るように、ともにギアが2段あたりまで入るとブレーキをかけてしまう歯切れの悪い展開に終始。3段、4段と円滑にスピードが上がらず、平和な安全運転が延々と続く光景に、観ているほうもストレスを抱えるしかなかった。
 
 これまでであれば、そこで中村や齋藤にガツンと手痛いプレーを見せつけられてきた。だがこの日、逆に一瞬の隙を上手く突いたのは、浦和のほうだった。「セットプレーが勝負を分けると考えて、入念に準備していた」(平川)という56分のCKの場面。阿部ら3人がニアに駆け込んで囮になり、空いた中央のスペースで三門のマークを外してフリーになった李が、豪快にヘディング弾を叩き込んだ。

 その後、柏木がシャドー、鈴木がボランチと、それぞれ「本職」に入ると、ギアチェンジも滑らかになり、試合を掌握する。横浜の圧倒的に足りない運動量やガス欠気味の中村と藤本のダブル司令塔の不調に助けられた面もあるが、終わってみれば決定機すら与えず完封。〝苦しい時にこそ結果にこだわる〞という横浜のお株を奪う試合運びで、勝点3を手に入れた。

取材・文:塚越始

※週刊サッカーダイジェスト5.20号(5月7日発売)より
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