スペイン代表の“9番”は誰が適任? 指揮官ロペテギは「誰かに決めなきゃダメかい?」

2017年11月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

「モラタは素晴らしい。ロドリゴもアスパスも、万全ならジエゴ・コスタも…」

実に9番らしい9番のモラタ(写真)を筆頭に、スペイン代表の前線は多士済々。本大会でファーストチョイスとなるのは誰だ!? (C)Getty Images

 ワールドカップ予選を危なげない勝ちっぷりで突破したスペイン代表。今回のインターナショナルウイークではふたつのテストマッチ、コスタリカ戦(11月11日)とロシア戦(同14日)を消化する。
 
 注目されるのが、予選で毎試合のようにスタメンが替わった「9番」のファーストチョイスだ。フレン・ロペテギ監督は4-3-3、4-2-3-1、4-1-4-1と複数のシステムを使い分けるが、前線はつねにひとりのCFを配備する。予選10試合では実に5選手が先発を飾った。アルバロ・モラタ、ジエゴ・コスタ、ロドリゴ、アリツ・アドゥリス、そして実質ゼロトップで起用されたダビド・シルバ。ほかにもイアゴ・アスパスが候補で、まさに多士済々というわけだ。
 
 メディアやファンは「はたして誰が最適任か!?」と色めきだっているが、当の指揮官ロペテギはあまり意に介していない様子。スペインのラジオ局『Cadena Ser』の取材に応え、「とても悩ましい問題になっているが、誰がひとりに決めなきゃダメなのかい?」とおどけながら、こう続けた。
 
「モラタは素晴らしい9番だ。彼が前線にいるとチームはよく機能するよ。ただロドリゴもアスパスもいいし、万全ならジエゴ・コスタも十二分な仕事をしてくれる。いつかは決めなければいけないのだろうが、焦る必要なないだろう。ワールドカップの本番直前になるかもしれないし、その本大会でも、第1戦と第2戦で9番は異なる人選になるかもしれない。分からないよ。それだけ前線のタレントに恵まれているということさ」
 
 ワールドカップ予選の前半戦はD・コスタが幅を利かせたが、後半戦は所属するチェルシーのアントニオ・コンテ監督との確執からプレー機会が皆無となったため、今年6月以降は招集自体が見送られている。予選ではモラタと並んでチームトップの5得点を挙げており、本大会の登録23名には食い込んでくるだろうが、年明けに移籍が完了するアトレティコ・マドリーでどこまでコンディションを回復できるか。蓋を開けてみなければ分からない。
 
 やはり順当に考えれば、新天地のチェルシーで奮迅の働きを見せるモラタが現時点での一番手だろう。今シーズンのプレミアリーグでは10試合に出場して7得点・3アシスト。手が付けられない状態にある。今回の代表シリーズ2連戦で、さらに足場を固めたいところだ。
 
 ロペテギ監督は「どんなに偉大な選手をたくさん抱えていようが、チームとして結束し、成長できなければワールドカップは戦えない」と、あらためて団結を訴えた。9番を巡る論争よりも、カタルーニャ独立問題に絡む言動で厳しい立場にあるジェラール・ピケのほうが、気がかりなのかもしれない。主将のセルヒオ・ラモスとの不仲説は払拭できておらず、ピケ自身はロシア大会後の代表引退を明言している。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事