【日本代表】ついに初招集された浦和の逸材。長澤和輝に期待される“違いを生む”プレー

2017年10月31日 古田土恵介(サッカーダイジェスト)

「攻撃で何かをもたらせる数少ない選手」(ハリルホジッチ監督)

直近のリーグ戦では巧みなスペースへの飛び出しから決勝点をゲット。日本代表を引き寄せた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 11月10日のブラジル戦と同14日のベルギー戦に臨む日本代表に、浦和の長澤和輝が初招集された。10月22日のG大阪戦後、ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督から「私にとって良い発見」と注目されていた逸材の挑戦がついに始まる。
 
「ここ4、5試合を確認して、ACLでの出来で良いと思った」と指揮官は語っていたが、長澤はACLを含む直近数試合のパフォーマンスに加え、10月29日のJ1リーグ31節の広島戦では決勝弾を沈めるなどの活躍で、初選出への期待の声も上がっていた。
 
 本人は同試合後に日本代表について訊かれても、「レッズの勝利とは関係のないこと。まずはチームで活躍することが第一ですし、レッズを勝たせることが最優先」と話していた。先の栄誉を見過ぎず、貪欲に目先の試合に取り組む姿勢が、今回の代表入りにつながったと言えるだろう。
 
 長澤には、豊富な運動量や守備面での貢献はもちろん、「攻撃で何かをもたらせる数少ない選手」(ハリルホジッチ監督)として、強豪国を相手に"違いを生む"働きが期待される。
 
 本人は勝利の立役者となった広島戦後に「相手は能力の高い選手が多いので、守備面でのケアを考えつつ、攻撃時にはスルーパスを供給したり、スペースに入り込んでシュートまで持ち込めるシーンを増やせれば」とコメント。その通りの展開でゴールを奪ったのは見逃せない。
 
 代表でも同僚となった遠藤航からのクロスが上がる直前、「相手最終ラインにギャップを見つけて」走り込んだ。相手DFはスピードを上げた長澤についていけない。完全なる自由を手に入れると、右足のインサイドで合わせてゴールネットを揺らした。
 
 スペースを見つける能力、走り込むタイミング、前にいた選手の頭を越えてきたボールに慌てることなくミートする技術。一連のプレーは、ポテンシャルの高さを窺わせるには十分なシーンだった。
 
 ただ、日本代表の攻撃的MF(トップ下もしくはインサイドハーフ)にはライバルが多い。今回、ともに招集された倉田秋(G大阪)やの森岡亮太(ワースラント=べベレン)はもとより、招集外には10番を背負う香川真司(ドルトムント)など多士済々だ。
 
 ブラジルやベルギーを相手に持てる力がどこまで通用するのか。「どういう動きをしてくれるか、本当に楽しみだ」と話した指揮官の期待以上のプレーを、ぜひ披露してほしい。

【日本代表PHOTO】ブラジル・ベルギー戦へ向けた招集メンバー25人
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