「この親にしてこの子あり!」“リベリアの怪人”の息子がU-17W杯でハットトリック達成!

2017年10月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

ティモシー・ウェアの生い立ちは?

ハットトリックを決めて白い歯をこぼしたT・ウェア。その顔つきはどこか父親に似ている。 (C) Getty Images

 かつて、"リベリアの怪人"の異名を取った元リベリア代表FWのジョージ・ウェアを父に持つティモシー・ウェアが、アメリカ代表の一員として参加中のU-17ワールドカップで、その天賦の才をいかんなく発揮している。
 
 グループステージの3試合ではノーゴールに終わったT・ウェアだが、現地時間10月16日に行なわれた決勝トーナメント1回戦のパラグアイ戦で躍動する。19分に先制点をもたらすと、53分に2点目を奪取。チームが2点を追加した後の77分にもネットを揺らして、ハットトリックを達成したのだ。
 
 5-0で完勝し、ベスト8進出を果たしたアメリカ。その歓喜の輪の中心にいたのが、10番を背負うT・ウェアだった。
 
 T・ウェアは引退後にアメリカのマイアミやニューヨークで暮らしていたG・ウェアの3人目の子供として、2000年2月22日に誕生したサラブレットだ。父と異なるアメリカ代表を選択したのはその生い立ちゆえで、本人も「リベリアには繋がりがない」と明かしている。
 
 現在はかつて父親もプレーしたパリ・サンジェルマンの下部組織(U-19)に所属し、親子で似たキャリアを築こうとしているT・ウェア。そのパフォーマンスも父親譲りで、抜群の身体能力を利したプレーは同年代でも抜きんでており、昨シーズンのUEFAユースリーグでは6試合で4ゴールをマークしている。
 
 そんなサラブレットの目を見張る活躍ぶりを報じたのは、英紙『サン』だ。同紙は、「この親にしてこの子あり」と見出しを打ち、「彼の父親はアフリカ人で唯一のバロンドール受賞者だが、ティモシーはそんな父の存在に威圧されることはなく、自らを選出してくれた代表チームのために自身の価値を証明している」と褒め称えた。
 
 T・ウェア自身もパラグアイ戦のハットトリックについて、「やっぱり特別だよ。とくに2点目は僕があまり決めたことがないような美しすぎるシュートだった」と手応えを語っている。
 
 サラブレットたちの中には、偉大すぎる親族たちのプレッシャーに負け、大成できない選手も少なくない。世界戦で堂々たるパフォーマンスを披露しているT・ウェアはどこまで伸びるのか? 今後のキャリアへの興味は尽きない。

 ちなみに、同じくU-17ワールドカップに参戦中の日本は、17日のイングランド戦で勝利すれば、ベスト8でアメリカと激突する。久保建英や平川怜らサムライの逸材たちと、T・ウェアの対決が実現するかも要注目だ。
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