韓国サッカーは死んだ…止まないバッシングに代表監督は「正直、気分が良いとは言えない」

2017年10月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

ヒディンク招聘は? 指揮官は11月の外国人コーチ合流を示唆

10月7日のW杯ホスト国・ロシアとの親善試合は2-4の敗北。現政権では2分け2敗といまだ勝ち星がない。(C)REUTERS/AFLO

 韓国代表チームに対する風当たりがさらに強まっている。
 
 10月シリーズはロシアに2-4、モロッコに1-3と連敗。シン・テヨン政権は発足以降、2分け2敗と未勝利のままだ。ワールドカップ出場はなんとか決めたものの、ファンはその内容と韓国サッカー協会のスタンスにフラストレーションを募らせているのだ。
 
 全国紙『The Korea Herald』によると、10月15日にはこんなドタバタ劇があった。シン・テヨン監督はスイスでのモロッコ戦を終えて再度ロシア入りし、本大会に向けた視察を繰り返したという。ようやく韓国に戻ったのが日曜日。仁川の空港で遠征を総括する記者会見が行なわれる予定だったが、空港ではサポーター有志が「韓国サッカーは死んだ」などのプラカードを持って激しい抗議デモを展開し、指揮官を待ち受けていた。トラブルを避けたい協会側は監督を裏口から外に出し、あらためてソウル市内の協会本部で会見を開くと発表したのだ。
 
 この事態を受け、さすがにシン・テヨン監督もショックを受けた様子だった。
 
「空港でまさかこんなことが起こるなんて想像もしていなかったし、正直、気分が良いとは言えない。だが彼らも韓国サッカーを愛しているがゆえの行動だったのだろう。その想いに応えるため、我々はもっとハードワークに徹しなければならない」
 
 今回の親善試合で連敗を喫し、いまだ政権下で白星がない現状についてはどう感じているのか。
 
「ファンが失望しているのはよく承知している。今回は事情があって国外の選手しか集められなかったが、11月(2試合とも韓国開催の予定)にはフルメンバーを招集できる予定だ。ただ、親善試合は親善試合でしかない。ワールドカップで最高の結果を得るために、そこでは結果よりも内容が重視されるべきだ。FIFAランク? その順位を上げるために代表チームの強化に従事しているわけではない。ここからはどうやっても、韓国の(抽選会での)ポッドは第4だろう」
 
 2002年日韓ワールドカップで韓国を4位に導いたオランダ人指揮官、フース・ヒディンク監督のスタッフ入りを望む声が後を絶たない。これについては具体的な言及を避けたものの、外国人コーチの招聘を検討している事実を明かした。「遠征中に何人かの外国人コーチと会って話した。そのうちの誰かが来月から合流できるかもしれない」とコメント。間接的に、ヒディンク招聘を否定した。
 
「ファンがなにを求めているのかを選手たちに考えさせる前に、まずは強いメンタリティーを持って取り組ませたい。これからはクラブチームでレギュラーを獲れているかどうかを重視する。代表チームに犠牲を払える選手であるかどうかを見極めていきたい」
 
 はたして本大会まで現政権は持ち堪えられるのか。11月中旬のテストマッチを前に、どう転んでもおかしくない情勢だ。
 
 韓国サッカー界が、風雲急を告げている。
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