豪代表ケイヒルがゴールパフォーマンスで処分?「T」ポーズが物議を醸す…

2017年10月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

スポンサー会社の宣伝とも、自らの名前を誇示したとも取れる…。

改めてその存在感を示したケイヒルだが、得意げに披露したゴールパフォーマンスが思わぬ非難を浴びている。 (C) Getty Images

 ロシア・ワールドカップのアジア予選第5代表決定戦を勝ち抜き、大陸間プレーオフ出場権を獲得したオーストラリアだが、殊勝の一撃を見舞ったティム・ケイヒルのゴールパフォーマンスが思わぬ物議を醸している。
 
 オーストラリアは現地時間10月10日のアジア最終予選第5代表決定プレーオフ第2レグでシリアをホームに迎えた。2戦合計2-2のタイスコアのまま、試合は延長戦に突入。そして勝負を決めたのは、109分のケイヒルのヘディング弾だった。主将の値千金のゴールで3-2と激闘を制したオーストラリアは、北中米カリブ海予選4位のホンジュラスと対戦する11月の大陸間プレーオフに駒を進めた。
 
 今回の熾烈なサバイバルマッチで、改めて存在感を示したケイヒルは、決勝ゴールを決めた際に飛行機ポーズで得点を祝ってから、両手で「T」のマークを作った。英国メディア『スカイ・スポーツ』や英紙『ガーディアン』によると、これがFIFAのルールに抵触するかもしれないという。
 
 というのも、ケイヒルがオーストラリアのバイロン・ベイを拠点とする旅行会社『TripADeal』とアンバサダー契約を結んでいるからだ。同旅行会社は試合後にSNSで、ユーザーに「ケイヒルの『T』マークを見たか?」と尋ねており、それに対してケイヒルも飛行機とサッカーボールの絵文字を返していた。そのため、選手が会社の宣伝をしたのではないかと疑われたのだ。ちなみに投稿はすでに削除されている。
 
 ガーディアン紙は、選手が自身の身体を使ってスポンサーを宣伝する行為は、FIFAの規定において特に記述されていないと伝えたが、宣伝のためにユニホームを脱ぐ行為は禁じられていると報告している。
 
 実際、2012年にはデンマーク代表FWのニクラス・ベントナーが、ゴールパフォーマンスの際に宣伝のために下着を見せて、10万ユーロ(約1300万円)の罰金を科されている。
 
 FIFAのスポークスマンは、スカイ・スポーツの取材に対して、「FIFA主催大会の全試合に関して審判団やマッチコミッショナーからの報告をもとに分析している。さらなる注視が必要とされる件は適切にお伝えする」と述べるに留まっているが、今後、事態が大きくなれば、処分を下される可能性もあるだろう。

 すでに37歳とはいえ、2ゴールを挙げたシリア戦のように相変わらずの決定力を誇るケイヒルが出場停止などのペナルティーが課されるとすれば、大陸間プレーオフを控えるオーストラリアにとっては大きな痛手だ。
 
 ケイヒルの名前である「Tim」も頭文字は「T」だが、一体、パフォーマンスの真意はどこにあったのか? いずれにしても、オーストラリアが歓喜に沸いた大陸間プレーオフ進出に、水を差すニュースであったことは言うまでもない。
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