「森保ジャパン」誕生の決め手に!? 西野技術委員長も唸った“ポイチ”の指導力

2017年10月13日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

手倉森氏の再任という手もあったが…。

東京五輪に向けた年代別代表の監督就任が決まった森保氏。J1を3度制したその手腕を、西野技術委員長は高く評価している。(C)SOCCER DIGEST

 日本サッカー協会は12日、2020年東京五輪に向けた年代別代表監督に前・広島監督の森保一氏が就任すると発表した。

 監督の選考基準について、西野朗技術委員長は「育成世代の指導経験、国際経験があり、かつ国内のトップレベルの監督を経験しているか。また、チーム作りに対する実績を持っているか」を重視したという。そうしたなかで、年代別代表のコーチや広島監督を歴任してきた森保氏が有力候補に挙がり、就任要請へ至った。

 森保氏が「国内において最高の実績を持った指導者」(西野朗技術委員長)なのは間違いない。12年に広島の指揮官に就任すると、同年、そして13、15年と計3度もJ1を制覇。その輝かしい実績を考えれば、自国開催となる五輪の代表監督に指名されるのは当然の成り行きと言えるもかもしれない。

 ただ、代表監督としての経験値はない。その意味では、リオ五輪代表監督を率いた手倉森誠氏の再任という手もあったはずだが、それでも「ポイチ(森保氏の愛称)と呼ぶ間柄」(西野朗技術委員長)だという森保氏を抜擢したのは、その指導力に魅力を感じていたからだと、同技術委員長は言う。

「サンフレッチェ広島で5年半、その時々でメンバーが変わったり、補強が上手くいかなかったりして、自分の理想とするサッカーを追求したくてもできない状況もあったと思う。そのなかでも3度の優勝を勝ち取ったという事実からも、指導力の高さを感じさせる。

 いろいろとチームが柔軟に変化しているなかでも、ブレずにスタイルを貫いていくところや、その時に応じて柔軟に対応して戦っていける力がある。サッカーに対する知識も豊富ですし、魅力的だと思っていました。それは私だけではなく、技術委員の皆が思っている」

 12年に神戸、14、15年には名古屋の指揮を執り、同じJ1で森保氏と対戦していた西野委員長の言葉には、一段と説得力が感じられた。

取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
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