「僕らがW杯に行けないなんて狂ってる」アルゼンチンを救ったメッシが本音を吐露

2017年10月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

メディアにも協力を要請? 「みんなが手を取り合えば…」

窮地からアルゼンチンを救い出したのは、唯一無二の10番メッシ。試合後には、落ち着いた口ぶりで南米予選を振り返った。 (C) Getty Images

 崖っぷちに立たされたアルゼンチンを救い出したのは、"フットボールの神に愛された"男だった。現地時間10月10日に行なわれたロシア・ワールドカップ南米予選で、アルゼンチンはエクアドルを3-1で下し、12大会連続での本大会出場を決めた。
 
 6位に転落していたアルゼンチンは、勝たなければ自力での予選突破が消滅するという状況で、開始30秒でエクアドルに先制点を献上。のしかかるプレッシャーが、その重みを増す中、それを振りほどいたのが他でもない、背番号10のリオネル・メッシだった。
 
 12分にアンヘル・ディ・マリアとの連携から同点弾を決めると、20分には自らの守備を起点とした攻撃で左足による豪快な一撃を見舞って逆転を呼び込み、さらに62分にバイタルエリアからドリブルで仕掛けて、鮮やかなループシュートによるトドメの一撃を決めた。
 
 メッシの殊勝なハットトリックで、標高2800メートルに及ぶ難所キトでの激闘を制したアルゼンチンは、3位に浮上してワールドカップへの切符を掴んだ。
 
 試合後に指揮官のホルヘ・サンパオリが、「フットボールの神が彼に微笑んだ」と絶賛したメッシは、代表戦では久々にメディアの前で口を開いた。
 
 というのも、アルゼンチン代表の選手たちは、昨年11月のコロンビア戦(南米予選12節)で、メディアのゴシップ報道に怒って、「僕たちは何も喋らないと決めた」と話して以来、試合後のメディア対応に一切応じてこなかった。
 
 そんなアルゼンチン代表の主将でもあるメッシの言葉を、『Tycスポーツ』など現地メディアが一斉に報じた。
 
 先取点と与える苦しい展開となった試合についてメッシは、「僕らはビハインドから試合を始めなくちゃいけなくて、本当に難しかった」と振り返ったうえで、「でも、幸運にもすぐに追いつけて、全てが上手くいった」と安堵の表情を浮かべた。
 
 本大会行きを最終節まで決められなかったものの、チームについては、「僕らはワールドカップ(2014)、コパ・アメリカ(2015、2016)と3つの決勝で不当にも敗れ、この南米予選でも苦戦した。でも、チームは変わってきて、成長している。楽しみにしててくれ」とポジティブな言葉を残しつつ、次のように取材陣にも語りかけている。
 
「メディアから遠ざかっていたこの時期は、君たちと互いに歩み寄っていくことに役に立ったと思う。僕らはみんな、同じことを望んでいる。代表が上手くいくようにとね。僕らがみんなで手を取り合えば、もっと楽になるよ」
 
 また、「アルゼンチンがワールドカップに行けないなんて狂ってる」と、明朗に話したアルゼンチン・サッカーの救世主は、最後にファンへのメッセージを残した。
 
「僕はチームメイトに、誰のための勝利であるかを話した。みんな、自分たちが何で(予選で)苦しんだかを理解している。サポーターには感謝したい。彼らはどんな時も傍にいてくれた。本当にありがとうと言いたい」
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