サウジ皇太子がチケット買い占め! ハリルジャパンの「絶対アウェー」が事実上確定

2017年09月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

6万人収容のスタジアムは、白装束の男たちで満たされる。

サッカー好きで知られるムハンマド皇太子。サウジアラビア代表はこれ以上ないサポートを得て、日本戦での必勝を期す。(C)Getty Images

 サウジアアラビア・サッカー連盟が9月3日、公式ホームページ上でひとつのお礼文を掲載した。
 
 それは、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子に向けたもの。火曜日の日本戦チケットをムハンマド王子がすべて買い上げ、自国サポーターにスタジアムを無料開放すると発表した。満員の熱狂的な空間を創出し、絶対的なホームサポーティングを引き出そうというわけだ。その行動に対して、連盟のアデル・ビン・モハメド・エザット会長が感謝の意を示した。
 
 今年6月に副皇太子から皇太子に昇格したムハンマド王子。正統なる王位継承者であり、国内ナンバー2の実力者だ。兼ねてから国内のスポーツ振興に尽力し、とりわけサッカー界との繋がりが深い。昨年末の会長選ではエザット候補を後見人として支え、初当選に導いている。会長は「心遣いに対して本当に感謝している。我々はプリンスの期待に応えなければならない」と手綱を締めた。
 
 西部の都市ジッダにあるキング・アブドゥラ・スポーツ・シティ・スタジアムは、収容人数6万を誇るサッカー専用。チケット代の総額がいくらかなど野暮な話は掲載されていないが、サウジアラビアの王族によるこうしたイベントチケットの買い占め&国民への無料開放は、決して珍しいことではないようだ。
 
 アジア最終予選ではこれまで3つのホームゲームが開催され、会場はすべてジッダだった。公式発表では全試合ほぼ満員とされたが、実際は空席がちらほら。チケット購入者の大半は富裕層で、会場に姿を現さないものが多いのだ。

 あえて今回、一般のファンに無料開放したのは、国を挙げての応援ムードに拍車をかけたい、そんな狙いがあるのかもしれない。いずれにせよ、熱狂度は過去3試合とは比べ物にならないだろう。
 
 すべては国民のため、勝利のため、ワールドカップのため──。当日は白装束の男性サポーターが大挙して押しかけるだろう。ハリルジャパンは絶対アウェーの環境下で戦うことになる。
 
 アジア最終予選グループBで2位のサウジアラビアは、現在3位のオーストラリアと同勝点(16)。得失点差でふたつ上を行くが、オーストラリアは最終節でタイを相手に大量得点で勝利する可能性が低くない。日本とのジェッダ決戦は、3ポイントがマストな情勢だ。
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