元バルサのメキシコ代表DF、麻薬組織への関与で米国の制裁対象に! 本人は断固否定するも…

2017年08月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

資金洗浄に自身のボランティア基金も利用?

メキシコといえば麻薬というイメージが強いが、代表キャップ数141を誇るサッカー界の一番の英雄もこれに関与していたというニュースは、大きな衝撃を国内外に与えた。写真は今夏のコンフェデレーションズカップ。 (C) Getty Images

 8月9日(現地時間)、アメリカの財務省は麻薬密売人のラウール・フローレス・エルナンデスが率いる組織に、メキシコ代表キャプテンのラファエル・マルケスが関与していると発表した。


 過去4度のワールドカップ出場を誇り、来年のロシアW杯出場も狙っている38歳のCBは、メキシコの人気ミュージシャン、フリオン・アルバレスとともに組織のフロントマンとして働き、マネーロンダリングを行なったとされている。
 
 この件について、自発的に司法事務局に出頭したというマルケスは、「麻薬組織との関与を断固として否定する。弁護士とともに、身の潔白を証明するために全力を尽くす」との声明を発表している。
 
 しかし数年間、捜査を続けてきた米国側は、「マルケスとエルナンデスは20年来の知り合いであり、エルナンデスが麻薬ビジネスに手を染めていることをマルケスが知らなかったとは到底考えられない」としている。
 
 マネーロンダリングのために利用されたのは、マルケスが運営するサッカースクールや医療施設の他、多くの企業が協賛しているボランティア基金(子どもの教育支援)だという。
 
 一方、歌手のアルバレスも、自身のSNSで「絶対に何も起こらない」とし、マルケスに対しては「友人である彼にハグをしたい。我々が潔白であることが、いずれ明らかになるはずだ」との言葉を送っている。
 
 しかし、メキシコのエンリケ・ペーニャ・ニエト大統領は、今回の件が発覚した後、アルバレスと一緒に撮影した写真をすぐに自身のインスタグラムから削除している……。
 
 米国財務省によると、関与が疑われるマルケスら22人の他、サッカークラブやカジノなど43の組織については、米国司法権の管轄下にある財産の凍結、米国とのビジネス取引の禁止という制裁が科されることになる。また、マルケスについては、米国で彼が起訴されることはないという。
 
 事の真相は今後、さらなる捜査によって明かされることになるが、1999年から2010年までバルセロナでプレーして黄金時代の創成に貢献した他、クラブや代表チームで輝かしい実績を残したメキシコの英雄が、そのイメージを大いに汚したことは間違いない。
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