【清水】“幻のゴール”長谷川悠、それでも漲る充実感と期待される「8年ぶり」の大台

2017年08月10日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「チームメートが信頼して、ボールを預けてもらえるようになった」

長谷川は4試合連続でスタメン出場。47分にはゴールネットを揺らすも、オフサイドで“幻”に。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ21節]清水3-2C大阪/8月9日/アイスタ

 後半開始からわずか2分、最近2試合連続中の長谷川悠に見せ場が訪れた。

 右サイドでミッチェル・デュークからパスを受けた鎌田翔雅のクロスに、ニアサイドへ飛び込みヘッドで合わせたシュートがゴールネットを揺らす――。2点ビハインドからの追劇弾が決まったかに思われたが、判定はオフサイド。

 長谷川自身はオフサイドポジションにいなかった。しかし、クロスが供給された時点で、ファーサイドにいた北川航也が、敵の最終ラインよりわずかに前へ出ていた。

 北川がそのプレーに影響を与えたという微妙な判定に対し、長谷川は悔しそうな表情を浮かべた。とはいえ18節のG大阪戦から連続でスタメン起用され、自らのプレーに確かな手応えを感じていた。

「(オフサイドになった場面で)(鎌田)翔雅から良いボールが来たように、チームメートに信頼してもらってボールを預けてもらえるようになっている感触がある。縦パスも早いタイミングで入れてくれてるようになったし、チームにフィットしてきていると思う」

 昨年7月に徳島から加入後、度重なる怪我に苦しんだ。それでも6月の天皇杯(対北九州戦)で今季公式戦初ゴールを奪うと、右肩上がりにコンディションを上げていった。

 C大阪戦では、前節の鳥栖戦、前々節の横浜戦に続いてゴールは奪えなかった。それでも恵まれた体躯を生かしたポストプレーや競り合いの強さを披露。チームに勢いが芽生えた後半には、左足で強烈なシュートを放つなど、今後に期待感を抱かせるパフォーマンスを見せた。

「チームにとって自信になる勝利だった。個人としても、試合を重ねるごとに、試合後の疲労感が減ってきているので、試合にも慣れてきている」

 J1のキャリアでは山形時代の2009年の10ゴールが最多記録。その数字に並ぶのは容易ではないが、この調子が続けば今後の覚醒(=ゴールラッシュ)も十分期待できるはずだ。

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取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
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