【浦和】「溜まっていたんでしょうね」阿部勇樹が感情を爆発させた逆襲の同点弾

2017年07月09日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

「最後は皆さんの一声が力を与えてくれた。ここから這い上がる」

試合後のヒーローインタビューで、浦和の主将・阿部勇樹がファンとサポーターにここからの反撃を誓った。写真:サッカーダイジェスト写真部

[J1リーグ18節]浦和レッズ 2-1 アルビレックス新潟/7月9日/埼玉スタジアム
 
 どんなラフプレーにあっても、苦境に置かれても冷静さを失わない阿部勇樹が、珍しく感情を爆発させた。1―1の同点とするゴールを決めたあとに胸の前で拳を突き上げ、思い切り吠えた。
 
「溜まっていたんでしょうね(笑)」。そう振り返ったキャプテンの一撃で新潟に同点に追い付き、窮地に追い込まれていた浦和を救った。
 
 0-1のまま迎えた74分。柏木陽介のCKからボールがこぼれ、再び攻撃を組み立て直す。駒井善成の鋭い横パスから、森脇良太の強烈なミドルがポストを叩く。そのこぼれ球に先に反応したのが、阿部だった。相手が詰める前に踏み込み、しっかりミートしたシュートを豪快に叩き込んだ。
 
 最近は1勝4敗。4日前の川崎戦で1-4の大敗を喫したあと、監督交代の話が浮上するなど、さらに重苦しい雰囲気が垂れ込んだ。阿部は苦しかった胸のうちを明かした。
 
「先に失点してしまい、今日観に来てくれた多くの方が『またか……』と思われたはずです。だけど僕らは強い気持ちを持って、チームのために、仲間のために走り切る。その想いで戦い切りました」
 
 あの雄叫びについては「溜まっていたんでしょうね」と照れたが、「ただ、素直に言えば、点を取るのは誰でもいい。誰が決めても良かったので、1点決めて、ここからだと思ったので良かったです」と語り、チームで掴んだ勝利であることを強調した。
 
「この苦しい時に、仲間うちで声を掛け合っていますが、最後は皆さんの一声が力になり、逆転勝利をもたらしてくれたと思います。有難うございます。浦和レッズ、ここから這い上がっていきましょう」
 
 この1点が呼び水となり、79分にはラファエル・シルバの魂のゴールが決まり逆転に成功。ペトロヴィッチ監督の下、6年間ずっとキャプテンマークを任されてきた阿部が、ここからの巻き返しを誓った。
 
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
 
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