【横浜】引き分けでも月間MVPらしい活躍ぶり。やはり“鉄人”中澤佑二は日本トップクラスだ

2017年07月08日 古田土恵介(サッカーダイジェスト)

39歳にして今も一線級の働きぶりを披露。

試合前には中澤の6月度のJ1のMVP獲得、そしてフィールドプレーヤーとして歴代1位の140試合連続フル出場を祝うセレモニーも。写真:田中研治

[J1リーグ18節]横浜 1-1 広島/7月8日(土)/日産ス
 
 決して焦ることなく、冷静に、そして立ち振る舞いは雄々しく――。
 
 前節・大宮戦でフィールドプレーヤーとして歴代1位の140試合連続フル出場の偉業を達成した中澤佑二(最多は鹿島のGK曽ケ端準の244試合)。今節の広島戦で数字を「141」に伸ばした"鉄人"は、39歳にして、なお色褪せない。
 
 それはJリーグが7月7日に発表した6月度のJ1のMVPに選出されたことからもよく分かる。Jリーグ選考委員会は、中澤を「6月の3連勝、無失点という素晴らしい結果に貢献」と評価したが、この日も守備の要として奮闘していた。
 
 90分間しっかりと集中して、身体を張り続ける。まさに「言うは易く、行なうは難し」。さらにディフェンスリーダーとして最終ラインを統率し、声掛けやカバーリング、さらにビルドアップまでソツなくこなすのだから恐れ入る。
 
 もちろん、1点を守り切れなかったのは、中澤自身も納得いかないだろう。あと一歩を詰められなかった、と悔いているかもしれない。そうやって己に厳しくしてきたからこそ今がある。それでも、最後までパフォーマンスは悪くなかったのではないか。
 
 若い頃のように、身体は多少の無茶をきいてくれない。それはガッチリと固められた両膝のテーピングからも見て取れる。それでも、自分のやれるプレーを100パーセントで行なう。どんな言い訳も口にしない。
 
 スピードや跳躍力などフィジカル面での衰えは隠せないが、それを補う経験則は秀逸。どこに位置取るか、いつスペースを潰すか、どのタイミングで飛ぶか。中澤は年齢を重ねてなお、日本人トップクラスのCBであると言って過言ではないだろう。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
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