「ルーブル払いは嫌だ!」ローマCBが急にごねた背景にチェルシーの影?

2017年06月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

ローマはパレデスもゼニトに放出予定。

対人プレーで無類の強さを誇るマノラス。3バックでも4バックでも難なくこなす万能性も備える。 (C) Getty Images

 ローマに所属するギリシャ代表CBのコスタス・マノラスは、現地時間6月28日にゼニト移籍のメディカルチェックをローマ市内の病院で受けるはずだった――。しかし、そのロシア移籍に思わぬブレーキがかかったようだ。
 
 イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』や『スカイ・スポーツ』が報じたところによると、移籍で合意していたはずの両者が条件面で再び揉めているという。複数のメディアによれば、マノラスがロシア通貨のルーブルではなく、ユーロないしドル建てでの給与支払いを求めているという。そのため、28日のメディカルチェックはご破算となった。
 
 一方で取引成立を目前に問題が生じたのは、他クラブがマノラスの強奪に動いたからという声もある。そのクラブとは、イタリアをよく知るアントニオ・コンテ監督が率いるチェルシーだ。英紙『テレグラフ』が報じた。
 
 チェルシーは以前からサウサンプトンのフィルジル・ファン・ダイクやユベントスのレオナルド・ボヌッチに関心を寄せている。だが、いずれも所属クラブが高額の移籍金を求めており、獲得は実現していない。
 
 ローマはマノラス放出に際し、ゼニトと約3400万ユーロ(約43億5000万円)で合意したと言われている。チェルシーにとっては、7000万ユーロ(約84億円)とも言われる高額を要求されているファン・ダイクやボヌッチよりも獲得しやすいCBだ。チェルシーの動きを受け、マノラスは条件を吊り上げようと、ゼニトとの合意見直しを狙っているという。
 
 2014年夏にローマに加入して以降、守備の国イタリアでセリエA100試合に出場し、ローマの堅守に貢献してきたマノラスは、以前からプレミアリーグ移籍が噂されている。ロベルト・マンチーニ監督が就任したゼニトとの合意を反故にし、ロシアからイングランドへと行き先を変更することはありえるのだろうか。
 
 なお、ローマは現地6月28日にフェイエノールトからオランダ代表DFのリック・カルスドルプ獲得を発表。移籍金は1400万(約17億9000万円)で、最大500万ユーロ(約6億4000万円)のボーナスがつく。また、スカイ・スポーツによると、ローマとゼニトはアルゼンチン代表MFのレアンドロ・パレデスの移籍でも大筋で合意しており、同選手も週明けにメディカルチェックを受ける予定となっている。
 
 さらに、ローマはリヨンMFのマキシム・ゴナロンの獲得にも迫っているところ。クラブとは移籍金500万ユーロ(約6億4000万円)、本人とは年俸270万ユーロ(約3億5000万円)の4年契約で合意に達し、週明けにメディカルチェックを行なう予定だ。
 
 ファイナンシャル・フェアプレー(FFP)のルールに抵触にしたため、新シーズンもUEFAの監視下に置かれているローマ。それだけに高額売却が見込めるマノラスの放出は収支を整えるために不可欠と見られているが、はたしてどのような決着を見るのだろうか?
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