「ライオラが受け取った金額は国への侮辱」伊連盟会長が高騰中の“代理人手数料”にメス?

2017年06月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

ポグバ移籍では約59億円がライオラ代理人の懐に入ったとも…。

FIGCのタベッキオ会長(左)はライオラ代理人(右)らの手数料に苦言。対策を講じるとコメントしている。(C)Getty Images,REUTERS/AFLO

 高騰を続ける代理人の手数料にメスを入れなければいけない――。FIGC(イタリア・サッカー連盟)のカルロ・タベッキオ会長が現地時間6月26日、対策を講じる方針と明かした。
 
 FIFAは先日、フランス代表MFのポール・ポグバが昨夏にサッカー史上最高額でユベントスからマンチェスター・ユナイテッドに移籍した件で、ユベントスに対する懲戒手続きを取ると明かした。この移籍では1億500万ユーロ(約126億円)が動いたが、そのうち4900万ユーロ(約59億円)が手数料としてミーノ・ライオラ代理人の手に渡ったと言われている。FIFAは禁止されている"第3者の選手保有"を疑っているようだ。
 
 ライオラ代理人は現在、ミランのジャンルイジ・ドンナルンマの去就騒動でも注目されている。ミランへの愛を強調してきた18歳のGKが契約延長オファーを断ったのは、百戦錬磨のライオラ代理人が主導したからとの見方も少なくない。
 
 以前から「守銭奴」と批判されるライオラ代理人は、それでも冷たい視線をまったく気にしていないようだ。また、巨額の手数料を懐に入れている代理人は、ライオラだけではない。だが、現状を憂い、何かしらの対応をすべきとの声が強いことも事実だ。
 
 そのひとりが、タベッキオ会長だ。イタリア『ANSA通信』によると、同会長はドンナルンマやライオラ代理人の件について、「耳にするああいった金額は、国に対する侮辱のようだ」とコメント。経済が順調ではないイタリアという国全体にとっての問題だと指摘した。
 
 さらに、タベッキオ会長は「その点で新しい何かを見つけられないかを検討するために、代理人と弁護士による委員会を作った」ともコメント。「時代錯誤の状況であり、我々のような国ではしっかり考えなければいけない」と、現状打破の必要性を強調している。
 
 ANSA通信や『メディアセット』は、タベッキオ会長が将来的に代理人の手数料に上限を設ける方向で動くと報じている。実現すればマーケットへの影響は確かで、進展が注目される。
 
 なお、FIGCはこの日の理事会で、2017-18シーズンから給料遅配に対するプロクラブへの罰則を勝点1の減点から同2の減点に強化するとも決定している。

ドンナルンマ問題で再焦点の「代理人」の実態…ライオラやメンデスはどう巨額を稼ぐのか?
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