今後は観客の人種差別行為で試合中止も!? コンフェデ杯より審判の権限が拡大される

2017年06月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

「差別に対する戦いの革新的な変化だ」(FIFA会長)

人種差別の撲滅を訴えてきたFIFAだが(写真は2015年のU-21ワールドカップ)、ついに具体的な改善に乗り出した。 (C) Getty Images

 FIFAは、今月17日にロシアで開幕するコンフェデレーションズ・カップより、観客の人種差別行為があった場合、試合を中止にできる権限を審判に与えることを発表した。(『ESPN』より)
 
 有色人種の選手に対し、スタンドの観客が侮蔑的な声を浴びせたり、横断幕を掲出したりするような事件は世界中で起こっており、これに対する早急な対策が統括機関には求められていた。
 
 今回のFIFAの採用したシステムでは、人種差別的行為が発覚すると、まずは警備員により当事者への注意が行なわれ、これが受け入れられない場合は試合中断、そして最終的に審判の判断によって中止とすることができる。
 
 また、このシステムを万全なものとするため、モニターでスタンド等をチェックするオブザーバーを新たに置くこととなった。
 
 これについてFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は「差別に対する戦いの革新的な変化だ。公正さと尊敬の念に満ちた空気のなかで試合が行なわれるようにするため、審判とマッチオフィサーに与えられた権限であり、世界中のW杯予選でもこのシステムは採用される」と語っている。
 
 選手や監督だけでなく、観客もまた、サッカーを構成する重要な要素。そしてFIFAはようやく、ピッチ上だけでなく、スタンドの改善にも着手し始めた。この取り組みが今後、いかなる変化を世界中のスタジアムにもたらすか、注目される。
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