「日本全体の課題ですが…」内山監督が分析したベネズエラ戦の敗因とは?

2017年05月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

「選手は120分間、こういう死闘のゲームを良く頑張ってくれた」と称えつつ…。

内山監督は「一番スピードの上がるところの精度」を課題に挙げた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 ゴールが遠かった。ベスト8進出を懸けたU-20ワールドカップのベネズエラ戦。U-20日本代表は、多くのチャンスを作りながら、1点が奪えずに0-1で悔し涙を飲んだ。

【U-20W杯 PHOTO】日本、ベスト8入りを逃す

 決定機の数では、ベネズエラを上回っていた。26分には堂安律の直接FKがバーを叩き、そのこぼれ球を拾った岩崎悠人がボレーシュートを放つ。33分には市丸瑞希の浮き球に岩崎が反応し、フリーでヘディングシュートを見舞った。また、39分には杉岡大暉のクロスに高木彰人が合わせ左足でシュート。前半だけで3つのビッグチャンスを迎えながら、そのいずれもがゴールの枠を外れた。
 
 後半にも、日本はチャンスを作った。もっとも決定的だったのは、57分のシーンだ。市丸のくさびのパスが堂安に入ると、高木がタイミング良くディフェンスラインの背後に抜け出す。堂安からのパスを受けた高木がエリア内でシュートを放つ……が、相手GKの好守に阻まれ、またもビッグチャンスを逃してしまった。
 
 どれかひとつでも入っていれば、日本が8強に進出していたかもしれない。勝負ごとに"たら・れば"は禁物だが、拮抗した試合だっただけに、そう感じた人も少なくないはずだ。
 
 実際に内山篤監督も、日本の決定力不足を嘆いたひとりだ。「選手は120分間、こういう死闘のゲームを良く頑張ってくれた」と選手たちを称えつつ、冷静に敗因も分析した。
 
「最後の精度の上がる一番疲れた中でのここぞという時が……日本全体の課題ですが、少ないチャンスの一番スピードの上がるところの精度が上がればゴールに結びつくと思います」
 
 ベネズエラが圧倒的に強かったわけではない。ただ、彼らは最後の部分、勝負を決めるゴール前のディテールで日本を上回ったのだ。
 
「ゲームのコントロールも含めていろんな状況が世界に来ないと分からないので、その中で選手の判断も含めて良い方向には行ったと思う」と指揮官が言うように、日本の選手たちは大会を通じて成長した。ただ一方で、ベネズエラ戦のようなシビアな試合をモノにするために必要な"差"を、改めて突き付けられたとも言えるだろう。
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