アーセナルがチェルシーを下して史上最多13度目のFAカップ制覇!

2017年05月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

苦心のシーズンをタイトル奪取で締めくくったアーセナル。

冷静な守備でチームにタイトル奪取に貢献したメルテザッカーが優勝カップを掲げて、FAカップ制覇を喜んだ。 (C) Getty Images

 現地時間5月27日、ロンドンのウェンブリー・スタジアムでFAカップ決勝のアーセナル対チェルシーが開催された。
 
 プレミアリーグを5位で終えたアーセナルは、守備の要であるコシエルニーが出場停止で欠場。さらにムスタフィとガブリエウの両CBも負傷で欠いたため、CBにはホールディングと、さらに今シーズン公式戦わずか1試合しか出場していないメルテザッカーを起用した。
 
 一方のチェルシーは、最前線にD・コスタ、アザール、ペドロが配置され、プレミアリーグを制したベストな陣容でこのビッグマッチに臨んだ。
 
 ライバル同士の顔合わせとなり、スタジアムが熱気を帯びるなかで始まった試合は、開始早々にアーセナルがネットを揺らす。
 
 4分、敵バイタルエリアでチェルシーのMFカンテがクリアしようとしたボールを、A・サンチェスがカット。チェルシーの面々はこれをハンドだと自己判断し、足を止めたがプレーは続行。ペナルティーエリア内で完全にフリーとなったチリ代表FWがクルトワとの1対1を難なく制したのだ。
 
 ゴールの判定に納得のいかないチェルシー側が、審判団に抗議するも結果は覆らなかった。
 
 先手を取って勢いに乗ったアーセナルは、14分にエジル、18分にウェルベックが相手ゴールに迫る惜しいシュートを放つなど、チャンスを創出していった。
 
 25分以降は、チェルシーが攻勢を強めて相手を押し込む。しかし、今シーズン初めて先発起用されたアーセナルのベテランCBメルテザッカーの奮闘もあり、決定機を生み出せない時間帯が続いた。
 
 その後もチェルシーがボールを支配したものの、相手の守備網を破れずにスコアが動くことはなく、1-0でアーセナルがリードしてハーフタイムに突入した。
 
 前半に枠内シュートを1本しか打てなかったチェルシーは、後半開始直後から素早い仕掛けを起点に分厚い攻撃を展開。すると、得点には至らなかったが、48分にカンテ、50分にモーゼスと立て続けに枠内シュートを放った。
 
 守勢に回ったアーセナルだったが、ここでもメルテザッカーが読みの利いた守備を披露。ベテランDFは相手のチャンスの芽を摘んだ。
 
 決め手を欠いたチェルシーは、61分にマティッチに代えて、元アーセナルのセスクを投入して攻勢を強めたが、67分に敵ペナルティーエリア内で倒れたモーゼスがシミュレーションを取られて、2枚目の警告を受けて退場となってしまった。
 
 数的不利となり、追い込まれたチェルシー。しかし、それでも同点に向けて攻勢続けると、ここで存在感が希薄だった主砲が一撃を見舞う。
 
 76分、途中出場のウィリアンの絶妙なクロスボールをペナルティーエリア内で受けたD・コスタが、強烈なボレーシュートを見舞ってネットを揺らした。
 
 振り出しに戻った試合だったが、アーセナルが失点後の78分にCFのジルーを投入。すると、この交代策が即座に的中する。
 
 79分、左サイドに抜け出したジルーの折り返しをボックス内でフリーとなっていたラムジーが押し込んで、勝ち越したのだ
 
 相手の一瞬の隙を突いて再度リードを奪ったアーセナルは、ボールを保持しながらショートカウンターを狙った。一方、追いつきたいチェルシーは86分にD・コスタが決定的なシュートを見舞ったが、これを相手守護神のオスピナにセーブされて万事休すとなった。
 
 結局、試合は、アーセナルが最後まで集中した守りで逃げ切って2-1で勝利した。
 
 ライバルのチェルシーを下して、FAカップ史上最多となる13度目の優勝を果たしたアーセナル。プレミアリーグでCL出場権を逃し、ヴェンゲル解任も騒がれた苦心のシーズンを何とかタイトルで締めくくった。
 
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