「ゆりかごパフォーマンス」から23年――ベベットの息子がポルトガルの名門と契約!

2017年05月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

「お前なら、スポルティングの歴史に残る選手になれる!」

「ゆりかごパフォーマンス」が世界に広がった94年W杯のオランダ戦(写真)。この時に生まれた赤ん坊が、大きなステップアップを果たした。 (C) Getty Images

 今や、全世界で多くの選手が披露する「ゆりかごパフォーマンス」。生まれたばかりの子どもにゴールや勝利を捧げるという意味合いのこの"喜びのダンス"を、世界的に有名にしたのは1994年アメリカ・ワールドカップでのベベットだろう。
 
 大会屈指の名勝負となった準々決勝のオランダ戦、2点目のゴールを決めた彼が、チームメイトのロマーリオ(同大会のMVPで現在ブラジルの国会議員)、マジーニョ(チアゴ・アルカンタラ、ラフィーニャの父親)とともに見せたこのパフォーマンスは当時、大きな話題となったものだ。
 
 ベベットがゴールを捧げたのは、息子のマテウス(フルネームはマテウス・デ・アンドラージ・ガマ・デ・オリベイラ)。オランダ戦の2日前(7月7日)に生まれたばかりだった。
 
 ドイツの名手、ローター・マテウスの名を頂戴した赤ちゃんはその後、父の遺伝子を受け継いで優れたサッカー選手として成長。2012年にフラメンゴでデビューを飾ると、U-20ブラジル代表にも選出され、一躍、注目と期待を集める存在となった。
 
 ユベントスへの移籍も噂された182センチの攻撃的MFは、15年にポルトガルのエストリウへレンタル移籍し、翌年には完全移籍。今シーズンはここまでリーグ戦で26試合に出場(2得点)している。
 
 そしてこのたび、22歳のマテウスは、リーグ優勝18回の実績を誇るポルトガルの名門で、ルイス・フィーゴやクリスチアーノ・ロナウドといったスーパースターがプレーしたスポルティングと5年契約を交わした。
 
 これに対し、父ベベットはツイッターで「息子よ、お前のことを誇りに思う。これからも一生懸命に努力し、謙虚さをもってより上を目指せ! お前なら、スポルティングの歴史に残る選手になれる!!」と喜びを表わすとともに、自慢の息子を激励した。
 
 ベベットはフラメンゴ、バスコ・ダ・ガマ、スペインのデポルティボといったクラブで活躍し、ブラジル代表では前述の94年W杯で優勝の原動力となった他、98年W杯でも決勝進出に貢献した世界的名手だ(2000年に加入した鹿島アントラーズでは活躍できなかったが……)。
 
 来シーズンのチャンピオンズ・リーグ出場(プレーオフから)も決まっている名門クラブへの加入というステップアップを果たしたマテウスは、そんな偉大な父の足跡を辿ることができるか。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事