絶妙ループで沸かせた久保建英。本大会へ“和”を強調「チームというのが日本の特徴」

2017年05月16日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「やるからには高いところを狙っていく」

後半途中からピッチに立った久保。体格で勝る相手をモノともせず華麗なテクニックで敵をかわすプレーも見せた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[親善試合]U-20日本代表 3-2 U-20ホンジュラス代表/5月15日/エコパ

 この日はベンチスタートとなった久保建英だが、きっちり見せ場は作った。

 62分、岩崎悠人(京都)に代わりピッチに立つと、直後に左サイドで初瀬亮(G大阪)とパス交換を披露。最後は堂安律(G大阪)のシュートへつなげ、この流れで得たCKから3点目が生まれた。

 洗練されたテクニックは、年上の外国籍選手たちにも十分に通用した。ホンジュラスの選手との体格差は明らかで、試合後には「(フィジカル面の差は)感じました」とも明かしている。それでも、相手をあざ笑うかのように股抜きで華麗に敵をかわし、狭いスペースでも難なく局面を打開して会場を沸かせた。

 最大の見せ場は、45分ハーフの親善試合後に行なわれた、30分×1本の練習試合。1点リードで迎えた終了間際、市丸瑞希(G大阪)のロングパスに上手く反応し、GKと1対1の場面を迎える。迷わず絶妙なループシュートを放ったが、シュートは惜しくもゴール左へ。悔しさのあまり、思わずピッチに倒れ込んだ。

 結局、ゴールは奪えなかったが、技術、判断力の高さを改めて証明。15歳で飛び級選出された事実を感じさせないほどに堂々たるプレーを見せて、決戦の地・韓国へと乗り込む。

 久保にとって初の国際大会での目標は、「やるからには高いところを狙っていく」ということに変わりはない。本大会では「ドリブルに注目してほしい」とアピールも狙うが、だからと言って、スタンドプレーに走る意識はない。

「チームというのが日本の特長だと思うので、チームとして良いところまで行けたらと思います」

 チームの"和"を乱さぬよう、最善のプレーを選択して、勝利の立役者になる。そのなかで久保の才能とテクニックは、自ずと輝いていくはずだ。


取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)

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