「酒井vs武藤」は決着つかず…ブンデス残留争いの直接対決は痛み分けに

2017年05月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

気合十分で迫力のある一戦だったが、攻撃のプレーレベルは…

攻撃面では数本の縦パスを通した以外は目立った貢献はなかった酒井だが、守備では人一倍気合の入ったプレーを披露した。 (C) Getty Images

 5月7日(現地時間)、ブンデスリーガ第32節が行なわれ、ハンブルクとマインツの対決はスコアレスドローに終わった。

 15位のマインツとは同勝点ながら、得失点差により入れ替え戦行きとなる16位に沈んでいるハンブルク。前節は残留争いのライバルであるアウクスブルクに0-4の大差で敗れ、泥沼の3連敗でこの一戦を迎えることとなった。

 日本人対決もこのカードの注目点だったが、ハンブルクのキャプテン、酒井は左SBを務め、マインツの武藤はコルドバとともにトップの位置に就いた。

 互いに何としても勝点3を奪い取りたいという気持ちは、試合開始直後から気合の入った激しいプレーとなって表われ、所どころで熾烈なぶつかり合いが展開され、ボールは両陣内をひっきりなしに行き交う。

 そんななかで最初に決定機を迎えたのはアウェーチーム。7分、コルドバが浮き球をコントロールしながら強烈なボレーを放つと、セーブしようとしたGKマテニアがボールを横にこぼす。ここに武藤が飛び込んで詰めたが、ボールはマテニアにキャッチされた。

 序盤はマインツの攻撃が目立ったが、間もなくしてハンブルクも速い攻めから相手陣内に攻め入る。14分にコスティッチが左サイドを突破してきわどいクロスを入れれば、17分にはCKからこぼれ球を拾ったマフライが得点機を得た。

 前節アウクスブルク戦ではボールロストから悪い流れをチームに引き込んでしまった酒井は、この試合では堅実なプレーを披露。特に守備では厳しいタックルや寄せで、再三相手からボールを奪い、そこから幾度か、カウンターに繋げてみせた。

 一方、武藤はボールに触れる回数は多くなかったものの、忍耐強く相手DFラインの裏を狙い続け、36分にはコルドバのパスを受けて好機を迎えた(酒井に寄せられてシュートは打てず)。また、相手の攻撃時には自陣深くまで戻り、守備に奮闘していた。

 マインツは40分、コルドバが左からカットインして強烈なシュート。GK正面に飛んだことで防がれたものの、これが前半、両チームにとって唯一のまともなシュートだった。

 双方が高いインテンシティーと集中力を保って、躊躇なくぶつかり合った一戦。ゆえに迫力はあったものの、ともにパスが繋がらず、なかなか相手ゴールに迫れず、作ったチャンスも少ないという点は、下位チームたる所以とも言えた。

 後半も互いに力を緩めることなく、攻守が頻繁に入れ替わるなか、マインツが70分にハイロの技巧的なドリブルでチャンスを掴めば、その4分後にはハンブルクも反撃し、ジャッタのパスを受けたコスティッチがボレーシュートを放つが、いずれもDFにブロックされる。

 マインツはその後、78分にハイロが左から惜しいシュートを放ったり、81分にも遠めのFKをグバミンが直接狙ってきわどいコースに飛ばしたりして、相手ゴールに迫ったものの、これもゴールネットを許すことはできなかった。

 試合は動くことなく終了。ともに勝点1を分け合い、順位に変動はなかった。残り2試合、16位のハンブルクはシャルケ、ヴォルフスブルク、マインツはフランクフルト、ケルンが相手と、どちらも残留に向けて厳しい戦いに臨むこととなる。

【ハイライト動画】酒井、武藤ともに守備で貢献も、日本人対決は痛み分けに|ハンブルク 0-0 マインツ

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