無所属の天才カッサーノ、「まだ違いを作れる」と現役続行を確信

2017年04月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

セリエBで「唯一無二の奇跡」を起こす可能性も示唆。

16年5月8日のジェノア戦を最後に公式戦出場がないカッサーノ。このブランクは復帰に向けた障壁となるが、本人は複数クラブからのオファーを明かした。 (C) Getty Images

 今シーズンは一度も公式戦のピッチに立っていないうえに、1月にサンプドリアとの契約を解消してからは無所属だ。それでも、元イタリア代表FWのアントニオ・カッサーノは、ひとりでトレーニングを続けている。すべては来シーズンにセリエAの舞台に戻るためだ。
 
 マルコ・ジャンパオロ監督の構想から外れたカッサーノは、サンプドリア首脳陣と揉めながらも愛するジェノバの街に残ろうと移籍を拒否。今シーズン前半戦は当初ひとりで、昨年11月からはプリマベーラ(U-19)と練習するだけの日々を送っていたが、状況は好転せず、1月にクラブとの契約を解消した。
 
 それでも、「良いチームがなければベビーシッターと(水球選手の)カミさんの代理人をする」と述べるなど、移籍先探しを焦らなかったカッサーノは、2月の登録期限を迎えても新天地が見つからず。今シーズンはプレーできないことが決まった。
 
 7月12日には35歳となるカッサーノだけに、引退の二文字が頭をよぎってもおかしくないだろう。実際、そういった報道も散見された。だが、カッサーノは、イタリア・メディア『セコロXIX』のインタビューで、「調子を保つため、そして太らないために、毎日トレーニングをしている。数か月後に再出発したい。すごく刺激を感じている。リスタートしたら飛び立つよ」と、来シーズンの復帰に意気込んだ。
 
 1999年のデビュー以降、長年に渡ってハイレベルな戦いを続けてきたカッサーノだが、思っていたほどピッチも恋しくないという。それは、「自分の中ではたった数か月のことであり、復帰する」との確信があるからだ。稀代のファンタジスタは「すごく楽観しているし、復帰を100%確信しているんだよ」とコメントしている。
 
 その復帰の舞台はどこになるのだろうか。カッサーノは、「検討しているところだよ。イタリア国内ではちょっと動いていることがあるんだ。国外はない」と明かす。候補となるクラブ名も挙げているが、確かなのはセリエAのクラブということだ。
 
「ヴェローナ(現在セリエBで2位)が昇格するならすごく惹かれるね。ボローニャやウディネーゼも同じだ。大事なのはAのクラブであること。まだ違いをつくれるということをみんなに見せたいんだ」
 
 ただし、唯一の例外となり得るのが、ジェノバからほど近いキアーバリに本拠を置き、以前からカッサーノ獲得の可能性が報じられてきたセリエBのヴィルトゥス・エンテッラだ。
 
 魅力的なオファーを受けたと明かすカッサーノは、「エンテッラをセリエAに導いたら、キャリアを締めくくりとして唯一無二の奇跡となるかもしれない」とエンテッラで1部昇格を目指すかもしれないと仄めかしている。

 はたして、来シーズンにカッサーノはどこのユニホームを纏っているのだろうか。
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