【磐田】静岡ダービー、もう一人の「俊」、森下が13年目のJ1初ゴール。喜びのコメント!

2017年04月03日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

ユース出身、ダービーの重みを人一倍知る森下俊が、値千金の先制弾!

もうひとりの「俊」、森下俊がプロ13年目にしてJ1初ゴール! 写真:徳原隆元

[J1リーグ 5節]ジュビロ磐田 3-1 清水エスパルス/2017年4月1日/エコパ
 
 4万人を超す大観衆の熱い声援に押されて、立ち上がりからハイテンションで激突し合うなか、開始6分、磐田がゴール前でホームスタンド寄り(やや右サイド)の約25メートルの地点でFKのチャンスを掴む。
 
 太田吉彰と言葉を交わした中村俊輔が、大きくゆっくりとしたフォームからフワっと浮かせてゴール前でキュッと落ちる職人的なキックを放つ。その放物線の落下点を読み、ダイビングヘッドで飛び込んだのが、35番の森下俊だ。
 
「良いボールが来たので、よく軌道を見て合わせるだけでした。キャンプ中に同じようなボールを外していたので、ここで決められて嬉しい」
 
 マーカーのMF六平光成に競り勝ち、しっかりと額に当てたボールが、GK六反勇治の左横をすり抜け、ゴール隅のネットを揺らす。磐田に待望の先制点がもたらされた。
 
 磐田ユースから2005年にトップチームへ昇格し、京都、川崎、横浜FCと移籍を繰り返し、14年に復帰。静岡ダービーの重みを、ある意味、誰よりも知るひとりと言って過言ではない。
 
 その森下がプロ13年目にして、実にこれがJ1初ゴール。今季加入した中村と森下、ふたりの左利きの"俊"による息の合ったプレーから生まれた。
 
「絶対に負けられないし、気持ちが入っていた。(4節/0-1で敗れた)神戸戦はラインを下げすぎてしまった。まだ1試合だが、だいぶ改善された。ただ、ここから連勝しなければ、上に行けないし、この勝利も無駄になってしまう」
 
 得点が決まった瞬間、これまでに見せたことのない咆哮(ほうこう)を上げて喜びを爆発させ、名波浩監督に駆け寄り抱きつき、そこを中心に歓喜の輪ができた。森下にとって、そしてチームにとって、これからさらに何かが起こりそうだと期待を抱かせてくれる——記念すべきゴールとなった。
 
取材・文:塚越 始(塚越 始)
 
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