本田と長友は代表合流前ラストマッチも出番なし…ハリルは「経験」と「コンディション」をどう天秤にかけるのか?

2017年03月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

2017年に長友は93分、本田は1分間しか公式戦を戦っていない。

3月18日のセリエA29節でも出番がなかった長友(左)と本田(右)。不安を抱えたまま日本代表へ合流することになった。写真:Alberto LINGRIA、Getty Images

 3月16日の日本代表メンバー発表(23日にUAE戦、28日にタイ戦)でもっとも物議を醸したのが、本田圭佑と長友佑都の選出だった。今シーズンのミランとインテルで完全に出番を失っているからだ。
 
 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は会見で、「彼らはたしかにクラブで試合に出ていない。しかし、代役がいるのかという問題があります。2人はプレーのみならず存在が非常に重要で、大きなプレッシャーのある試合では経験が必要になります。とくにUAE戦はそうです」と絶大な信頼を強調。さらに「本田と長友はビッグクラブと言われるチームにいます。そこでトレーニングするだけでも違う。そういった意味でも彼らは信頼できます。試合で出番がなくてもプラスアルファの練習をしている」と語っていた。
 
 とはいえ、いくらトップレベルのクラブで激しいトレーニングを積んでも、公式戦に出ていなければ試合勘やコンディションを保つのは誰にとっても難しい。日本代表合流前に少しでも出場機会を得ることが期待されていた。
 
 しかし、現地時間3月18日のセリエA29節で、インテルはトリノ(2-2で引き分け)、ミランはジェノア(1-0で勝利)と戦ったが、長友と本田はいずれもベンチ入りしたが出番なし。90分間ずっとベンチを温め、ともにイタリア・メディアから冠された「パンキナーロ(ベンチ要員)」という有り難くない愛称を図らずも証明する格好となった。
 
 2017年に入って以降、長友がインテルの公式戦13試合で出番を得たのは2試合で、プレータイムはわずか93分間。本田はさらに酷い状況でミランの公式戦14試合で1試合、それもプレー時間はアディショナルタイムの1分間のみという有様だ。
 
 同18日にはフランクフルトから長谷部誠が膝の手術に踏みきることが発表されたため、キャプテン不在で重要なワールドカップ最終予選2試合に臨む日本代表。その意味では本田と長友の経験はより重要度を増すが、所属クラブでの出番の少なさを考えると、100%のプレーを見せるのは不可能だろう。
 
 ハリルホジッチ監督はメンバー発表会見で、「本田と長友がプレーするとは限らないし、合流してから状態を見てみたい」とコメントしていた。"経験"と"コンディション"を天秤にかけたうえで、どんな決断を下すのか。注目が集まる。

次ページ3月シリーズの日本代表メンバー。

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