議論を呼んだバッカの「二度蹴りPK」、ビデオ判定が導入されていたらどうなった?

2017年02月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

審判団を痛烈に批判したディ・フランチェスコ監督。

“疑惑の決勝点”となったバッカのPK。(C)Getty Images

 決勝点となったPKは、正当なゴールではなかった。"被害者"のサッスオーロは怒りをあらわにしている。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が導入されていたら、どうなっていたのだろうか。
 
 現地時間2月26日のセリエA第26節、サッスオーロ対ミランの一戦では、決勝点となった前半22分、カルロス・バッカのPKが大きな議論を呼んだ。キッカーのバッカはPKを蹴る際に足を滑らせて転倒しており、右足で蹴ったボールが軸足の左足に当たっていたからだ。サッスオーロの選手たちは「二度蹴り」だと猛抗議したが、主審に認められなかった。
 
 試合はそのまま1-0でミランが勝利。ほかにも微妙な判定が少なくなかったこともあり、サッスオーロのエウセビオ・ディ・フランチェスコ監督は、試合後のインタビューで「我々に不利な判定があまりに多すぎた」と激怒。「話しても無駄だ。一定の仕事をするには、有能でなければいけないからね」と、審判団を痛烈に批判した。
 
 確かに、ルール上は、審判団が「二度蹴り」を認めていれば、ミランの得点は取り消され、サッスオーロの間接FKとなっていた。昨年のクラブ・ワールドカップで実験採用され、2018-19シーズンから各国リーグでも正式導入される予定のVARがあれば……。そう考えたサッスオーロ・サポーターも少なくないかもしれない。
 
 しかし、仮にVARが導入されていたとしても、サッスオーロのボールにはなっていなかった。映像で振り返ると、バッカがPKを蹴る際に、サッスオーロのフランチェスコ・アチェルビがすでにペナルティーエリア内に入っている。イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙は、VARが採用されていた場合、PKのやり直しになっていたはずだと報じた。ミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督も同様のコメントを残している。
 
 ただし、サッスオーロ・サイドはそもそもPK自体がなかったと主張。『pianetamilan.it』によると、アンドレア・ベルトラッチへのファウルと判定されたアルベルト・アクイラーニは、『スカイ・スポーツ』で「審判にも誓ったけど、僕はベルトラッチに触れていない」と述べている。
 
 ほかにも微妙な判定が少なくなかったこの日の一戦。もしも、VARが採用されていたら……。そのすべてでビデオ判定となっていたのだろうか。

【ハイライト動画】バッカのPK弾で「ウノゼロ」勝利!本田はまたも出番なし|サッスオーロ 0-1 ミラン
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